ベルケンド実験失敗!? 前編(×L)
「だぁあああっ!!ったく酷いめにあったぜっ!!」
ベッドの上を転げ回る。
いくら仮死状態になるからって、まず前もって説明しとけっつーのっ!!
「まぁな〜。流石に俺も一瞬あせったぜ」
ガイが笑いながらベッドの隅に腰掛けた。
「だよな〜」
流石にまだ、しかもこんな事で死にたくはない。
やらなきゃならないことが、まだある。
俺に出来ることをやると決めたんだから。
「しかし、本当にどこも悪くないか?」
「んー?あー、多分大丈夫だろ」
「そうか?でも、なんかお前顔赤くないか?」
ガイの手がでこに触れる。
「やっぱり、熱あるぞ?」
「え?そんな訳ねぇってっ!」
「いや、ある。念のために今日は早く寝ろ。ほら」
「大丈夫だってっ!!」
笑ってみる。
「いいから寝ろっ!」
ガイが俺の肩をつかみ、マジな表情を見せた。
本気で心配してくれてるんだ。
それは嬉しい。
でも、本当に平気なのに。
体だってだるくないし…。
「…ルーク?」
「?」
「お前、こんなに肩小さかったか…?」
「なっ!?うるせーっ!!どうせ、俺はチビだよっ!!」
「いや、そうじゃなく。どこもかしこも何か柔らかいぞ…?」
「??」
何いってるんだ?ガイの奴。
「ちょっといいか?」
「へ?う、うわっ」
ガイが俺を抱き上げた。
けど姫抱きはないだろっ!!
俺男なんだぜっ!?
「有り得ない位軽いぜっ!?ルーク、お前本当に大丈夫なのかっ!!?」
まさかっ、フォニムの乖離が始まったのかっ?
自分の顔が青くなるのが解る。
どうしようっ。
と、とにかく、ジェイドに相談してっ!
「って、何時までやってんだよっ!ガイっ!いい加減降ろせっ!」
「あぁっ、すまないっ」
ベッドに降ろそうとするガイの腕から飛び降りる。
「俺、ちょっとジェイドの所行ってくるっ」
「あ、おいっ!ルーク、ちょっと待てっ!」
急いで行こうとした俺の腕をガイがつかんだ。
そこそこ勢いがあったから。
えっ?あれっ?
ちょっ、バランスがっ!?
「うわっ!?」
「ルークっ!?」
バッターンっ!
二人して床の上に転んでしまった。
「いってーっ…」
起き上がると、真下にガイがいた。
咄嗟に庇ってくれたらしい。
「大丈夫かっ?ガイっ」
覗き込むと、ガイが放心していた。
「ガイ?」
「ルーク、お前その体…」
「え?」
「胸があるぞ…?」
「は?」
さっきから、言っている意味がさっぱり解らないぞ?
首を捻っていると、ガイが急に起き上がり俺の腕をつかむと走り出した。
「ガ、ガイっ?」
「いいからっ、ジェイドの所に行くぞっ!!」
気迫に負け、ガイに言われるままジェイドの部屋に向かった。