『フレン』のユーリ○○日記
【捌】
【○月◆日 土曜日】
……体が重い…。動かない…。
何時もこんな事無いのに…。
瞼すら重い…。…しかも、更に言うなら下半身が重い。
訳わかんねぇ…。
思って、頑張って目を開けるとそこに飛び込んで来たのは、金色の…。
「…レン、ゲホッ…?」
声が出ない。一体なんなんだ…?
もぞりと足を動かそうとして気付く。
そうだ。昨日…オレ。
って言うか、ちょっと待てっ!?
この尻の感じ…もしかしてっ!?
「…あれ?ユーリ、起きたの…?」
「…おはよう?」
パクパクと口だけを動かす。
何せ喉がカラカラで声が出ない。
けど、今この状況を何とか訴えたい。
入れっぱなしで寝るとか、何考えてんだっ!?
そもそも、お前等オレが答えだすまで待つって言ってたじゃねーか。
なのに、いきなりこの状況はなんだっ!?
二人で同時にいきなり突っ込むとか…ありえねぇっ!!
オレこれでも…これでもって言うのも変だけど、初めてだったんだぞっ!?
声が出ないから全力で目で訴えてみるが、まぁ、当然のように通じる訳が無い。
それどころか、ぐいっと腰を押し付けられ、ビクリと体が震えた。
目の前のフレンが、枕元に置いてあった腕時計を見て時間を確認して、ニッコリと笑った。
ムカつく位爽やかな笑顔だ。
「まだ、ユーリが気を失ってからそんなに時間経ってないね。もう一回出来そうだ」
「ッ!?!?」
「今何時?」
「深夜二時」
そう言って、後ろから回って来た手がオレの乳首に触れる。
何でっ!?無理だってっ!!
声だってもう出ない。初めてで入れっぱなしで、しかも二回何て出来る訳ないっ!
それに、こいつ等に触られたら、自分でした時はイけなかったのにイけてしまった。
こんなのに慣れたら、オレは一人で出来なくなってしまう。
あんな所に突っ込まれないとイけない体になってしまう。
嫌だ、そんなのっ!!
オレだって、男としてのプライド位ある。
「ま、…ケホッ、…待て、って……」
「ユーリ?」
「でも、もう休んだから出来るだろ?」
「み……、ず……」
「お水?」
「ちょっと、待ってね?」
ベットヘッドに乗せてあったペットボトルを目の前のフレンがとり、それを自分の口に含むとオレに口移しで呑ませる。
普通に飲ませろよ、と思わなくもないが今更口移しぐらいでガタガタ言わん。
喉を潤し、声が出る様になったんだから、言わせて貰うっ!
「お前等…、いいから抜けっ!!っとに信じらんねぇっ!!待つって言ったのは嘘かっ!?」
「僕はユーリに嘘なんて言わないよ?」
「僕も。君が二人のどっちかを選ぶのは待つと言った。けど、抱かないとは言ってない」
「んなっ!?…お前なぁ…、ひっ!?」
フレンの手がオレの乳首を引っ張り潰す。
何で、こんな電気みたいな感覚が全身に走り抜ける?
オレの体、何で、こんな…ッ?
「君はここだけでイける、淫乱だから、ね」
「ち、ちがっ…ンッ…」
「違わないよ。だって、ほらさっきだって後ろだけでイったんだよ?」
「ひぁっ!?、やっ、ぃや、だっ…」
また、またあんな風に強烈な快感の波に襲われたら…。
そう考えただけで、怖くて堪らない。
それでも、オレの体はフレン二人の突き上げを素直に受け入れ、痛みすら快楽へと変えていく。
嫌だ。…こんなの、嫌だっ!!
手足を何とか動かして抵抗する。けれど、二つの手で四本の腕に敵う訳が無い。
前にいるフレンがずるりとオレから引き抜き、オレが安心する間もなく後ろにいるフレンがオレを自分の腹の上へと引き寄せる。
フレンの胸に背中を預ける形でぐいっと太腿を手で引っ張られ足を開かれ、目の前にいるフレンに全て見せているこの格好に抵抗してフレンの手を外そうとするが、耳元にふっと息が吹き込まれると体がぶるりと震え力が抜けていく。
「耳まで気持ちいい?真っ赤で可愛いよ」
「やっ、舐め、…るな、んっ」
「…入るよ、ユーリ」
「やっ!?あ、ああああっ!!」
真正面からフレンがまた中に押し入ってくる。中が擦れる感覚にぞわぞわと鳥肌が立ち、でもオレのそこはぐちゅりと音を立ててフレンの全てを飲み込む。
嫌だって言ってるのに、何で入ってくるっ!?
また、交互に動きだして、理解出来ない快感に追い上げられオレは、また達した。
中にまた二人のが吐き出される…。
交互に攻め立てられたオレの思考は既に停止状態だ。
なのに、フレン達はまた動き出す。
一体、何度するのか。しかも、全く抜いてくれない。さっきフレンが一回抜いただけだ。
ずっと入れっぱなしのまま、オレは訳も分からないまま何度も喘がされ、イかされた。
…当然、そんな責め苦に耐え切れる筈も無く、オレは再び意識を手放した。
【○月■日 日曜日】
ふと目が覚めた。
…こう言っちゃなんだが、気分は最悪だ。
更に言うなら体調も最悪だ。
あの双子に滅茶苦茶された所為で、発熱してしまったらしい。
甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるのは当然だが、オレは親に何て言えばいいんだよ。
『あいつ等にめちゃくちゃにセックスされて、熱上がりましたー』
何て言えるかっ!?
取りあえず、その責任は全部、フレン等に押しつける事にした。
どっかの坊っちゃんのセリフじゃねぇけど、オレは悪くねぇ。
体が痛くて動きたくない。
けど、生理現象っていうか、トイレには行かなきゃならない。
と考えると立たなくちゃいけない訳で…。
何とか体を起こすと同時に部屋のドアが開いてフレンが入って来た。
無理矢理起き上がろうとしている所を押しとどめられる。けどな。
「トイレ」
「え?」
「だから、トイレ」
「あ、あぁ、そっか」
「じゃあ、運んであげるね」
「は?別にいい」
断って上半身を無理矢理起こし、ベットから足を降ろして地面につけて立ち上がろうとした瞬間、がくんと膝が折れてべしゃりと床に潰れてしまった。
……腰が抜けた…?
「だから、言っただろう?」
「ほら、捕まって」
「……誰の所為だと…」
「僕達の所為だよ」
「僕達以外の所為だったら許さないけどね」
そのまま抱き上げられトイレに連れてって貰い、用を足すと(それも手伝うと言うのは断固拒否)もう一度ベットへと戻される。
するとタイミング良くチャイムが鳴った。
…親父たちが帰って来たか…。
どうやらフレン達も同じ事を考えたらしく、部屋を出て行った。
シーンと静まり返る部屋。
あいつ等がいなくなったらいなくなったで暇だな。
ごろんと頭を横に向けると、枕の下に違和感がある。
なんだ?
枕を寄せるとそこには一冊のノートが。
?、交換日記?
パラっと開き、停止した。
『○月×日、金曜日。今日、告白した。ユーリも答えてくれた嬉しい。
○月▽日、土曜日。今日は僕が告白した。ユーリはどうやら二人の区別がついていないようだ』
…日記?しかも…。
『○月△日、月曜日。睡眠薬使用。ユーリが指二本受け入れる様にならした。感じやすいから慣らしやすい。だが…』
………これ、オレ怒っていいよな?
当然の権利だよな?な?
もう一体誰に同意を求めているのか分からない。
要するにオレの体が感じやすいのは仕方ないにしても、乳首が死ぬほど感じるのも、奥を突かれると意識が飛ぶほど気持ちいいのも、二人分も楽とは言えど受け入れられるのも、全部あいつ等の所為だったって事だろっ!?
オレの体が自然におかしくなった訳じゃない。
アイツ等におかしくされたんだ。
「……〜ので、今寝てるんです」
「そうなの?ごめんね〜。迷惑かけて…」
「いえ。そんな…。僕達が悪かったんですし」
ドアの外から声が近付いてくる。
上手い事説明してフレンがドアを開けた瞬間、オレの手にあるモノを確認して停止した。
あれが兄の方か、弟の方か分からないけれど。
その後ろをひょいっと覗きこんだもう一人のフレンが停止した。
オレはにっこりと笑い人差し指だけで手招きする。
さーっと血の気が引けるフレン達が二、三歩後ろに退く。
けど、逃がす気はない。
もう一度ニッコリ笑って手招きをする。
はぁと溜息をつき覚悟を決めて、「すみません、ちょっとだけ居間で待ってて貰えますか?」そう言ってオレの両親をリビングへと帰すと二人中に入りドアを閉め近寄って来た。
二人の顔を見て、勿論オレがとった行動は。
「腹ぁ、括れよっ!!」
二人の鳩尾に一発ずつ熱い拳をくれてやった。
その後直ぐに腰を痛めベットへ沈み込む事になるが、後悔は全くなかった。



