『フレン』のユーリ○○日記
【9】
【○月×○日 水曜日】
失敗した。
…まさかユーリにあれがバレるとは思わなかった。
いや、そもそもあそこに置いといた僕達が悪いんだけど。
…が、あの一撃は痛かった。大分歯を食い締めて腹筋に力を入れて耐えた。
けど、未だに青痣は消えなかった。きっと兄さんも同じで今同じ事を考えているだろう。v
取りあえずあの日記はユーリに没収された。
そして、そのユーリと言えば。
「ったく。ユーリの奴またサボりかー?」
「オレ等もサボるか?」
とクラスメートが騒いでいる通り、サボっている。
きっと、屋上か保健室かどちらかだろう。
ガタンと席を立ち、クラスメートにユーリを探しに行く事を告げ、ついでにサボるなと釘を刺して、教室を出た。
勿論僕は出された課題は全てやっている。
だから、何の問題も無い…訳ではないけどいい訳は立っている。
真っ直ぐユーリがいるであろう屋上に向かう。
ホントなら保健室も覗きたい所だけど、こう言う天気のいい時はきっと屋上にいる。
階段を上り、真っ直ぐと屋上に向かいドアを開けると案の定ユーリはそこにいた。
「…ユーリ」
近寄ると気持ち良さそうに大の字になって寝ている。
…僕達が付けた痕、丸見えなんだけど…。
キョロキョロと誰もいない事を確認して、ユーリの上に覆いかぶさりそっとシャツの隙間から見える痕をもう一度吸い付ける。
「……何してんだ?お前」
「あれ?起きちゃった?」
「起きちゃった?って起こす様な事して置きながら何言ってやがる」
僕を押しのけむくりと上半身を起こした。
はぁと溜息をつきながら前髪を掻きあげる。
…だから、そうやって無意識に色気を振り撒くのが悪い。
「なぁ、フレン」
「…?、何だい?」
「もし、オレがもう一人のフレンを選んだらお前どうする?」
これ以上ない位の真剣な瞳で僕に聞いてくる。
……真面目に聞いているのなら、真面目に返さねばならないだろう。
僕は、立ち上がりカチッとドアに鍵を閉め、ユーリの手を引き階下への階段がある建物の後ろ、日陰へと連れて行き建物を背に座る。
誰にも邪魔されたくないから。
その意図をくんだのかユーリも黙って隣へと座った。
「君がもし、…兄さんを選んだら僕は…きっと耐えられない」
「…フレン…」
「見ている事も、ましてや君が兄さんに抱かれているのを考えるだけで、どうしようもない嫉妬が体中を駆け巡る。だから、そうなったら僕はきっと君から距離をとるよ」
「それは、どういう意味だ?」
「…君の視界に僕が映らない様に、僕の視界に君が映らない様に。君の前から姿を消すよ」
こんな言い方は卑怯かもしれない。
でも、これがホントの僕の心からの気持ちなんだ。
「それほど、君の事が好きなんだよ」
「フレ、んっ!?」
隣に座るユーリの手を引き、僕の膝の上に倒れ込んだ所をすかさず上向かせ、唇を奪い取る。
好きじゃなきゃ、男相手にこんな事しない。
好きじゃなきゃ、ユーリを兄さんと一緒に抱こうなんて考えない。
「…はっ……ンンッ…」
ユーリの鼻から抜ける可愛い声が僕を煽る。
歯列をゆっくりとなぞり、中で震える舌を絡め取る。
その間に体を仰向けに動かし、何時も閉めろと言っても閉めないシャツの隙間から手を入れて胸の突起に触れる。
「んんっ!?」
止めようとユーリの手が僕の手に重なるけれど、力の全く入っていない手じゃ止める事は不可能だ。
きゅっと摘まんでコリコリと捏ねる。その度にビクンと体が跳ねて、無意識にユーリの腰が揺れる。
うっすらと唇を離し、ユーリの名を呼ぶと涙に歪んだ瞳が僕を見て、フレンと僕の名を声無き声で呼ぶ。
「…どうした、の?」
聞いても顔を赤くしてフルフルと頭を振る。
……可愛い…。
もう一度キスをして意識を奪ってその隙にベルトを外してスラックスを下着ごと脱がし、既に勃ち上がりトロトロと先走りを溢れさせるそこへと触れる。
「んっ!んンッ…は、ふっ、……ぁっ」
「もう、…ここ、とろとろだね…。気持ちいい…?」
コクコクと素直に頷くユーリが可愛くて、もう一度ちゅっとキスをするとその先走りを掬い取り弄っていなかったもう一方乳首に塗り込め、その滑りを利用して何度も何度も擦る。
「やっ、ふれっ…んあっ!?」
「イって、いいよ…」
嫌々とユーリが頭を振る。
何で?
聞くと。
「ふ、くっ……よご、れ、ぁッ、ん…」
服が汚れる?
あぁ、そうか。
ユーリが嫌がる理由に納得し、ブレザーを開き中のシャツのボタンを全て外す。
「これで、大丈夫だよ。…ユーリのイくとこ、見せて」
もう一度両手でユーリの乳首を弄る。その度ユーリの腰が揺れて…。
「ん、ンンァッ、やぁっ、…で、る…っ、――――ッ!!」
勢い良く白濁を腹部へと吐き出した。
「……はぁ、はぁ……」
必死に息を整えようと肩で呼吸を繰り返すユーリを見て、僕が我慢何て出来る訳が無かった。
自分のブレザーを脱ぎ、手早く敷くとそこへユーリを押し倒す。
吐き出された白濁をたっぷりと手に掬い足を肩に担ぐと、奥まったそこに手をやる。
二人分受け入れられたんだから、と思ってソコをなぞった後に指を一本突き入れると、ユーリの顔が少し歪む。
「…きつい…?まだ、三日しか経ってないのに?」
「ふ、れ…、それ、やだ…、いや、だ…、うぁあっ!?」
指を軽く出し入れしてソコを馴染ませる。でも、まさかこんなにきつく戻ってるなんて…。
ぐりっと中で感じる場所を刺激すると、ユーリの体が大きく跳ねあがり一気にソコが蕩けて行く。
さっきまで抵抗していたソコが、もっとと強請り奥へと誘う。
もう一度中を擦るとユーリの手が僕の手に重なった。その姿を見て一瞬動く事を忘れた。
耳まで顔を赤くして、何時も何者にも揺るがせない意志の強い瞳が涙に濡れて、上下に動く胸には自分が付けた痕が白い肌にくっきりと浮かび上がる。
ごくりと生唾を飲む。
…我慢何て出来る訳が無い。
まだそこは指一本分しか入らない位きついのに。
僕はそれでも、自分の理性が無くなって行くのを感じて、しかもその感情のままユーリのそこへ自分の性器を押し込んでいた。
「い、ってぇっ!!、ふれん、やっ!…ぁぁあああっ!?」
「…ごめ、んっ…。我慢、出来ないっ…ッ」
全部一気にユーリの中へと押し込むと、一旦動きを止める。
切れて、ないよね…?
確認の為、僕を受け入れている所をなぞると、どうやら切れてはいないようだ。
それにホッとして体を少し倒してユーリの震える唇にキスを落とす。
こんな事で誤魔化されやしないだろうけれど、それでも少しでも苦痛を減らす為に。
「やだ、って、はっ…ァッ…いった、のに……くっ」
「ごめん。…でも、やっぱり、ユーリの中気持ちいい。…ユーリ…」
「んっ……はぁっ、ん、…」
ユーリの声が更に僕の理性を消して行く。
欲しい…。ユーリの全部が―――欲しいっ!
今この時のユーリを知っているのは僕だけだ。
きつくユーリを抱きしめて、ぐっと中を突き上げる。
「やぁっ!?」
「ユーリ、大丈夫だよ…。この前だって、直ぐに良くなっただろ?…僕に体預けて?」
「やだ、やだっ…、んなの、やだぁっ」
「………ゆーり」
きっとユーリの中で男としてのプライドが邪魔をしているんだろう。
涙を流して必死に僕の腕から逃げようとする。
でも、ここまできて、この状況で逃がす訳ないだろう?それこそ、男なんだから分かる事だ。
「……動くよ?」
背中を撫でて、黒くて綺麗な髪を梳き、汗で張り付いた髪を避けて額にキスをして、目尻から伝う涙を舐めて拭い、そしてそのままユーリ耳元で囁くと大きく引き抜き一気に中を突き上げた。
「―――ッ!?」
何とか僕から逃げようとしていた手が助けを求めるように背に回り僕のブレザーをきつく握りしめる。
…うん。それでいい。
僕は律動を早める。奥へ奥へとユーリの中を突き進める。
「ア、ぁッ、や、やぁッ、ふ、れッ、う、うぅっ」
ユーリの喘ぎ声。…可愛くて、もっと聞きたくて。息を吸う暇も与えない程、がっつく。
僕の腕の中で体を捩らせ快感から逃れようとするユーリの乳首をもう一度弄る。
すると、体が震え僕を受け入れているソコがきゅっと締まる。それが気持ちよくて。
ぎりぎりまで引き抜き、乳首を弄って締まる瞬間にそれに逆らう様に深く突き上げる。
「ぁあぁああっ!?」
その衝撃でユーリの背は弓なりにしなり限界まで張りつめていたソコが精を吐き出した締め付けで僕もユーリの中に思い切り吐き出していた。
そして、二人が荒い息のまま呼吸を整えていると、調度良く授業終了のチャイムが学校に鳴り響いた。



