拍手御礼 〜フレユリ〜
ギィ…バッタン。
(あ、フレン帰って来たのか)
話があって今日ダングレストからザーフィアスに戻って来たのだけれど、フレンが帰るのを待っていたらどうやら眠ってしまったらしい。
その親友兼恋人のフレンが戻って来た。分かってはいたのだけれど、眠気が勝って、オレは目を開けずにそのままフレンのベットに寝続けていた。
ガチャガチャと鎧を外す音がして、近寄る気配がした。
視線を感じる。
(?オレを見てる?)
けど、起こす気配はない。
ただ、オレを近くで見ているだけ。
一体全体なんなのか?
すると、フレンの手がいきなり腰に触れて来た。
(お、おいおい。いきなり、なんだ?)
確かにフレンとオレはそうゆうなかだ。
いわゆる体の関係を持っている。
……のだが、こんな寝込みを襲うような奴ではないはずだが…?
(?今度は髪か?)
何がしたいんだ?
何度も何度も髪を梳く。
フレンに頭を撫でられるのは、気持ちいい。
安心できる…。眠くなる…。
眠りの淵に落ちそうになった、その時。
その手は頬に回って来た。
さっきとは違い、その手はずっと頬にいる。
(…やっぱり、見られてる?)
何だか気になる。
目を開こうか、迷った瞬間。
唇に何かが触れた。
(………?手?)
その割には、何か…?
気の所為だったのだろうか?
けど、次の瞬間気の所為では無かったと思い知る。
(やっぱり、これ、フレンの唇?って事は、キスされてる?)
認識が遅すぎた。
フレンの舌はユーリの唇の隙間を縫い、中へと侵入してきた。
寝込み襲うような奴ではないと思っていたのだが、大いに間違いだったらしい。
って言うか、そもそも、こいつは本当にフレンだろうな?
流石に恐くなり、目を開くとそこには間違いなく自分の恋人がいた。
幸せそうな顔をしている。
…だが、自分にして見れば寝込みを襲われたのだ。
だから。
ちょっと、抵抗する。
けれど、その手も掴まれてしまい、ベットに押し付けられた。
「ンん……っ。だああっ!!」
ゴツッ。
その程度で負ける、オレではなかった。
顔を左右に振って逃げると、追撃と言わんバリにフレンに頭突きを喰らわせてやった。
額を押さえて蹲るフレンをみて、オレは「おかえり」と微笑んだ。