拍手御礼 〜フレユリ〜
じー。
……………。
今日の巡回も終わり、ようやく部屋に戻って来たと思ったら、自分のベットに親友兼恋人が寝ていた。
それはもう、小さく小さくなって膝を抱えて寝ている。
とりあえず、鎧を外し、身軽にして、そっとユーリに近づく。
そして、ユーリの寝顔を眺める。
眺めると言うか、むしろ凝視である。
じー……。
(ユーリって、僕と同じ男なんだよね)
じー……。
(腰、細いなー…。筋肉も僕よりついてない?しなやかって言うのかな?)
そっと、腰に触れてみる。
男に触っている気がしない…。
(髪もすっごくさらさら、昔からこの触り心地大好きなんだよね)
髪に触れて、掬ってみては、手から零れ落ちる。
凄く気持がいい。
(それに、凄く色白だし)
そっと頬に触れてみる。
自分の手の色とユーリの白さを見比べてみる。
何であんなに外を動き回っているのに、こんな白いんだろう…?
(……唇だって…。男なのに、凄く柔らかそうで…)
じー……。
ただ見つめているだけで、ドキドキして。
吸い寄せられるように、ユーリと唇を重ねていた。
「んっ……」
ただ、重ねるだけ。
直ぐに離して、ユーリの反応を見る。
もぞもぞ動いて、また気持ち良さそうに寝息を立てた。
(ユーリの唇…甘い。また、こっそり甘い物食べたのか。…でも)
もう一度キスをする。
今度はユーリの唇の形を確かめる様に、なぞるように…。
小さく唇を舌で突くと、薄く開いた口の中へ舌を入れる。
ユーリの口の中はやっぱり甘くて…。
じーっと目を閉じずユーリを見ていると流石に息苦しくなったのか、パチリと目が開いた。
紫の瞳が僕を見る。
ユーリの舌が逃げ出す。けれど、それを追いかけるとユーリは抵抗を始めた。
その腕を掴みベットに押し付ける。
(細い手首…。簡単に封じれる…)
「んんっ……っ…だあぁっ!!」
ゴツッ。
(…訳がなかった)
見事な頭突きを喰らい、僕はデコを押さえながら、ベット横に屈んだのだった。
すると、頭の上から。
「お帰り」
そう、優しい声が聞こえた。