※ エステルの成人のお話です。
※ とか書いてる割にほとんどフレユリエロです。
※ 白状すると、エステル成人はおまけです。ごめんなさい…orz
頼むから。
帝都ザーフィアス。
そこの下町は貧しいながらも今日も活気に溢れていた。
例え、夜であってもその活気は消えることなく、むしろ夜の方が活気に溢れているんじゃないか?と思わせる位、辺りには笑い声が響いていた。
それは、宿屋兼酒場でもある箒星も同じで、しかも今日は予想外の客で何時も以上に盛り上がっていた。
「エステル、成人おめでとーっ!!」
カシャンッ。
カロルの一言と同時にグラスのぶつかる音が鳴り響いた。
「ありがとうございますっ!皆に祝ってもらえて私本当に嬉しいですっ!」
心の底から嬉しそうに笑うザーフィアス副帝に皆が穏やかに笑った。
本来なら、こうして祝う所か自分はここに居なかったかもしれない。
そう思うと喜びも一入だ。それをここにいるメンバー全員が周知の事実な為、エステルの喜びに素直に同意した。
「おめでとう。エステル。貴方も今日から大人の仲間入りね」
「おめでとう御座います。エステリーゼ様」
「ジュディスもフレンも有難うございます」
「ずるいなー。エステル。僕も直ぐ追いつくからねっ!」
「のじゃっ。ウチもすぐ大人になるのじゃっ!」
「はいっ!二人に負けない様に私も頑張りますっ!」
「エステル、おめでとさん。……良かったな」
「はいっ!ユーリ、有難うっ!」
「エステル。お、お……おめ、でと」
「リタっ!今度は私がリタの成人の時一番に言いますねっ!」
……。
エステルのセリフにリタが顔を燃やし、皆がニヤニヤとリタを見守り、その鬱憤は全てカロルへと落とされた。
手刀を喰らい頭を抱えているカロルはさて置き、話を戻した所でレイヴンが口を開いた。
「嬢ちゃん、成人したんだからもうお酒は飲んでオーケーなのよね。じゃあ、皆で一杯やりましょうよ」
そう言って取り出したるはレイヴン秘蔵の酒達。一体何処に隠していたんだろう…?などと疑問に思ってはいけない。
「勿論、カロル君達成人してない子は駄目よー」
カロル達にはジュースを用意して、彼らの宴は真夜中まで続き、そうこうしている内にお子様組は眠気に勝てなくなり、ラピードの誘導で宴より脱退した。
残ったメンバーは、本日の主役、エステルにユーリ、フレン、レイヴン、ジュディスの5人となった。
皆、最近の近況報告も含め、それを肴に酒を飲んでいた、そんな中、レイヴンはふと思った事を口にした。
「そう言えば青年」
「あんだよ、おっさん」
「青年って、お酒弱いんじゃなかったっけ?」
そう言えば、とメンバーもユーリのグラスをみた。お酒はしっかりと減っている。余りに自然すぎて気がつかなかったが。
そう。旅の間にユーリは一滴も酒を口にしなかった。
あのフレンですら、レイヴンに連れられて口にしたと言うのに。
だから、メンバーは皆ユーリは飲めないのだろうと勝手に勘違いしていた。…のだが。
「あ?誰がそんな事言ったよ?」
「えっ?」
ユーリは持っていたグラスを一気に仰いだ。しかし、顔色一つ変えない。
むしろ、その空いたグラスに更におかわりを注ぎ込む位だ。
レイヴンは「嘘ー」と呟き目を真ん丸くしている。どうやら、エステルとジュディスも同じな様で、同じように目を真ん丸くしていた。
だが、一人だけ真実を知っているフレンは何の事なし、ユーリに新しい酒瓶を渡しながら、3人に向かって笑い、そして言った。
「ユーリはザル所かワクですよ。どんなに飲んでも酔っ払いません」
「……酒は旨いし嫌いじゃねぇが、飲み続けると体に悪いからな。基本的に飲まねぇようにしてる」
唖然とした。それが一番正しいかもしれない。
「んでもま、今日は祝いの席だしな。おっさんの奢りだし飲むぜ」
ユーリがにやりと笑って言うと、そうこなくちゃと再び皆、酒を煽り始める。
それから数時間。
延々と飲み続けた。
祝いの席だという事もあり、ユーリは一つ、大事な事を忘れていた。
本当は忘れてはいけない筈だったのに。
「……だったんですよ。それで」
「成程。それは良い経験をなされましたね。エステリーゼ様」
「はい。それでですね」
「あ、すみません。ちょっと待って貰えますか」
「はい?」
フレンが気持よく話すエステルにストップをかけた。
当然、エステルはそれを疑問に思い、首を捻ってフレンの動きを見守った。
立ち上がり、ユーリの席の後ろへと回り、そして、次の瞬間エステルの顔を真っ赤に染め上げた。
「ゆーり…」
「げっ。お前もしかして」
嫌な予感がして逃げる暇もなく、ぐいっと肩を引かれるとユーリを腕の中に仕舞い込み、顎を引きよせ唇を重ねた。
「あら?」
「えぇぇー…?」
その光景に流石のジュディスとレイヴンですら驚いてしまう。
そんな驚きを余所に、フレンはユーリから唇を離す気配はない。
一瞬息継ぎの為に離れたかと思うとまた合わさる。
皆一様に驚く中、当事者のユーリだけは酷く冷静に、フレンの腹部へと一発拳を叩きこんだ。
そして、フレンが驚き油断した瞬間に唇を離し、フレンを引き剥がす。
「おい、エステル」
「は、はいっ!なんですっ?」
「こいつどんだけ飲んだ?」
「え、えーっと…?」
静かに視線を机の上に移すエステルに釣られる様にユーリも机の上の酒瓶を眺めた。
「ひーふーみー……17本か。こりゃ酔っぱらう訳だよな」
「ふ、フレン。酔っぱらってるんです?」
「あぁ。見事に酔っぱらってるな」
「え?え?じゃ、じゃあ先ほどの…は…?」
「こいつ、昔っから、酔っぱらうとオレにキスする癖があるんだよ」
「ゆーり…」
「あー、はいはい。ちょっと黙ってろ」
魔物ですら一撃でノックダウンする一撃を喰らっても尚フレンはユーリに抱きつき、キスをしようとするが、今度はユーリも油断をしていない所為か、フレンの首に腕を回し、グイッと引き寄せ、動きを封じた。
「昔っからってどーゆー事よ」
漸くフリーズから回復したレイヴンが問いかけると、ユーリはいかにも呆れたように溜息をついた。
「それがなー。オレも良く知らねぇんだけどよ。昔騎士団に入った祝いって奴でその時の同期と初めて飲みに行ったんだ。したらそこで何か吹き込まれたらしくてな。それ以来ずーっとこうだ。酔っぱらうといっつもタコみたいにちゅうちゅう張り付いてきやがる」
「そ、それは災難ねー」
「あら?でも首根っこ抱えられてるのにフレンは幸せそうよ?」
「それも可笑しーでしょ」
「だよな。ま、とにかくだ。こいつオレの部屋で寝せて来るわ」
「なら、そろそろお開きにしましょうか。エステル、お城に戻るのでしょう?」
「あ、はい。カロル達もそっちに行ってますし」
「んじゃ、おっさんも護衛を兼ねて城に戻りますか」
フレンの暴走により、宴会はお開きとなった。
ユーリとフレンは箒星の二階へ。他のメンバーは城へ。
酔っ払いフレンが出来上がった以外は何時もと同じ。
ユーリはそう思っていたのだが、その数分後。
それは一気に覆される事となった。
足取りが覚束無いフレンの腕を肩に回し、しっかりと腰を支え、階段を登る。
しかし、登り辛くて堪らない。
何故なら、フレンがずっと「ゆーり、ゆーり」と呟きながら、直ぐ横にあるユーリの頬へとキスをする為である。
引き離そうにも二階へ登る手前、旨い事離す事が出来ない。
かと言って何度も何度も男にしかも、親友にキスをされるのは如何なものか。
「ん、っとに何が楽しくて野郎にキスなんかするんかねー」
ユーリの言葉にピクリと反応するが、フレンはキス優先らしく、相変わらず頬にキスをし続ける。
何とかかんとか辿り着いた自室に入り、フレンをベットへと放り投げた。
「あー、くそ。重いったらねーぜ」
コキコキと首を鳴らし、フレンの酔いを少しでも覚まさせようと、ユーリの部屋にある数少ない家具の机から水差しに汲んであった飲み水をコップに移し、振り向いたその時。
「んんっ!?」
い、何時の間に起き上がってたんだっ!?
確かにフレンをベットに放り投げた筈なのに、いつの間にか後ろにフレンが立っており、気付けば唇を塞がれていた。
動く気配がしたら分かる筈なのに、全く気配を感じなかった。
コップと水差しを持っている所為で碌に抵抗も出来ず、ただただ、フレンの唇を受け入れるしかない。
何とか顔を左右に振って逃れようとするが、寧ろそれがフレンの気に障ったのか、逆に腰を引き寄せられ、更に後頭部をがっちりと抑え込まれ微かな抵抗手段を防がれてしまった。
「……ゃ…んっ……やめっ……」
「ゆーり……」
これまで幾度となく酔っぱらったフレンにキスをされてきたが、これだけ酔っぱらったフレンは初めてだった。
ちっとも離れてくれない。それ所かしっかりとフォールドされ、ユーリの唇をゆっくりとフレンの舌がなぞって行く。
丁寧に丁寧に。自分が舐めてない所はないと断言でもしたいのかと問いたい位に端から端まで舐めては啄み唇を重ねる。
でも流石にユーリも我慢の限界だった。
「……ぃい加減に、しろっ!」
バッシャンッ。
手持ちの水差しの中の水をフレンの頭の上にぶっかける。
やっと止まったフレンの攻撃にユーリはホッと一息つき、とりあえず、フレンを引き剥がし、水差しを置き、フレンにコップに入れた水を差し出す。
「とにかく飲めっ!んで、寝ろっ!!」
言うと、フラリとフレンがユーリのコップを持った手に手を差し出す。
だがフレンはコップを受け取る事をせずユーリの腕を掴み、そのまま引き寄せた。
余りの予想外な事にユーリは持っていたコップを落とした。何より、手加減なく引き寄せられた腕が痛い。
けれど、そんな事を一切気にも留めず、フレンはそのままユーリを腕の中にしまったまま、ベット際まで引き摺り、そのままベッドへと押し倒した。
「ゆーり……」
「ちょ、んっ……ンンっ……」
抗議をしようと開いた唇の間をこれ幸いとフレンの舌が侵入してくる。
嘘だろ?マジかよ?
グルグルと頭の中が煮詰まりそうだった。
まさか、ディープキスまで行くとは思いもしなかったユーリは、既にパニック状態である。
フレンの舌がユーリの舌に絡みつく。
フレンとのキスは慣れてる。慣れてはいる…が。
(こんなの慣れてたまるかっ!)
歯列の裏側を丹念に舐められ、逃げようとする舌を逃がすまいと絡ませられる。
(仕方ねぇ。一日に二発も入れたら明日仕事にならねぇだろうが、お前が悪いんだからなっ!)
拳にぐっと力を込め、もう一度腹に一撃喰らわそうとした。だが。
「……流石に、二回は嫌だよ」
「なっ!?」
体をパッと離し、ユーリの腹の上で馬乗りになりながら笑う。
「……お前、立ち悪ぃぞ。っとに、…とりあえず退け。重い」
「断る」
「…フレン?何言って…」
「こんな機会もうないかもしれないし、もう我慢しない」
そう言って笑うフレンの顔は素晴らしく爽やかで美しいものだが、目が戦う時の目と一緒で不思議と恐怖がユーリの中に渦巻く。
「フレ、んっ!?」
先手必勝。
フレンがそう思ったかは定かではない。けれど、ユーリが口を開く前にフレンがその口を塞いだ。
何度も口づけたユーリの唇は少し腫れて、けれどしっとりと湿っていて気持ちがいい。
絶好の機会。フレンはこれを逃す気は毛頭なかった。
ユーリが再び拳を握る前に、さっさと帯を解き、ユーリの下着の中へと手を潜らせ、多分自分以外は触れる事はないだろう場所を握り込む。あぅっと小さな悲鳴が聞こえ、逃げようとする腰を引き寄せ軽く扱いた。
男の弱点とも言える場所。そこを握られては逃げるに逃げれない事をフレンは知っていて更にそこに刺激を与える。
「ンっ……フレン、やめっ…ぅ……んっ」
「ねぇ?ゆーり。…気持ちいい?」
「よ、くなっ……ぁあっ…」
「嘘は駄目だよ。ゆーり。だって、ほら。ちょっとずつ、ゆーりのミルク、出てきてる。ここ、染み出来てるよ?」
嫌だ。聞きたくない。
だけど、否定をすればするほど、フレンは手の力を強くして、ユーリのイイ所ばかりを弄り、態と先走りをユーリに塗りたくるように水音を立てる。
「あ、そっか。もっと、気持よくなりたいんだね。ゆーりは」
「ンなぁ、こと、言ってな、あぁっ!」
フレンが、ユーリの上着の隙間から空いてる手を差し込み、乳首を摘まんだ。
男が乳首を刺激されて、気持ちいい訳がない。と言うかプライドが許せない。けれど、フレンが乳首に何かするたびにじんわりと何かが体の中を走り、腰が重くなる。
片方だけじゃ足りないだろ?
そう言って、フレンが空いた乳首を舐めるともう何が何だか分からなくなっていた。
直に刺激を受けながら、更にそれを煽る様に他も弄られ、頭の中はもう真っ白だ。
再度、気持ちいいか?と問われ、ユーリは無意識ながらも素直に頷く。すると、フレンは嬉しそうに笑い額に口づけた。
「ゆーり、可愛い…」
「ゃ、てぇ、やめな…」
「…出したい?ゆーり」
フレンが耳元で問いかける。親友の手でイかされる。それは嫌だと必死に首を振る。
「本当に、出したくないの?ここ、こんななのに?」
「や、やだっ、てぇ、やめっ!!」
「ゆーり、出したい、だろ?」
本当は、もう、射精したくて堪らない。ユーリのモノはとっくに勃起しており、しっかりと固くなっている。
フレンは耳元で囁きながらも、耳の裏を舐めたり、乳首を弄り、しかも、扱く手は止めない。
ゾクゾクして、気持ちよくて…。
でも、プライドが射精したくないって訴える。
どうしようもなくて、フレンが与える快感に耐えてる所為で視界が滲んでくる。
「ゆーり。我慢、しないで、言って?イきたい?」
フレンの動きが止まった。
出したくて堪らないのに、いきなり全ての刺激が止まり、体中が熱く刺激を求めて、無意識にフレンの腕へと手が触れた。
「……体は素直だね。それじゃ、一緒にイこうか」
微笑むフレンの言っている意味が理解出来ない。
でも、射精出来るならと頷いたのが、失敗だった。
フレンの手がユーリの下着ごとズボンを引きに抜き、大きく足を開かせるとその奥の蕾へと手を移動させた。
「な、に…?」
「…大丈夫。ちょっとだけ我慢してね」
「えっ?うぁっ!?」
突然侵入してきた指にユーリの体は一気に強張る。
普段入れる所か出す専用の所にある異物感は半端ないものがあった。
快感に溺れていた思考が痛みに瞬時に復活する。
「や、嫌だっ!」
「ゆーり、大丈夫だよ。直ぐに馴染む」
「んぅ、ゃ、うぅ…」
フレンの指はどんどん侵入してくる。そこを広げる様に指をくの字にして、グルリとかき回したかと思うと、指を伸ばして奥の方まで押し込みユーリが反応する場所を探った。
しかし、ユーリは嫌で仕方ないのか、シーツをきつく握りしめ、今ある異物感を何とか逃そうする。だが、奥にあるしこりに指が触れたその瞬間。
ビクンッとユーリの体が大きく反応した。
(見つけた、ゆーりの感じる所。……でもあんまりやっちゃうと出しちゃうから程々に、と)
ユーリが小さく息を吐き、イきそうになる度、フレンは指を引き抜き、更に本数を追加して、押し入れる。
痛みにユーリが呻くと、一旦動きを止め、落ち着いてくると指を動かす。
指が三本余裕が出来るまで解されたのを確認するとフレンは漸くその指の動きを止め、ユーリから抜き出し、そして、もう限界が来ていた自分のモノを取り出すと、解れきったそこへと押しつけた。
「…ふれっ……ぅそ、だろっ…?」
「逃げちゃ駄目だよ。君と一つになるんだから」
「い、嫌だっ!」
漸くフレンの本気を理解したユーリの顔が青ざめ、フレンから離れようと後ずさる。
けれど、フレンはそんなユーリの体を引き寄せ、そのまま散々解され切ったそこへと押し込んだ。
「やぁっ、ぁぁあっ!!」
「………くっ……やっぱり、きつ、いっ」
ユーリが必死にフレンを自分から引き離そうと、体を押しやるが、ビクともしない。
痛みの所為かなんなのか、分からない涙がユーリの頬を伝う。
「いた、いっ!やだ、ぁ、やだ、ぅ、ンっ」
「直ぐに気持ち良くなるから、我慢して」
頭を振り、必死に痛みをやり過ごそうとするけれど、凶悪なまでの痛みは消えずに寧ろ増していく。
白いシーツの上で必死に逃げようとするユーリの腰を掴み、一気に残りを押し込んだ。
いきなりの衝撃ではくはくと苦しげに空気を吸いこもうとするユーリが堪らなく可愛い。
こんなユーリを見た事があるのは自分だけだと思うと、ユーリを想う気持ちが倍に膨れ上がる。
そんな感情の赴くまま、フレンはユーリの唇へとキスを落とす。
予期せぬ痛みに力が入らないユーリはフレンの唇をすんなりと受け入れた。
「ふぁ……ぅ、ん、んん……ふれ、やぁ…」
「ふふ。本当に可愛いよ、ゆーり」
舌をユーリの口の中へ押入れ、ビクリと震え逃げるユーリの舌を絡め取る。
そして、散々弄り尽くした乳首へと再び触れると、今度こそユーリの体は大きく跳ねた。
その所為でフレンを飲み込んでいるそこがきつく締まる。それがまた堪らなく気持がいい。
「やっぱり、ここが気持ちいいんだね?」
「ち、ちが、や、ぁ…っ」
「違うの?じゃ、もっと気持ちよくなれるとこ、探してあげるね」
ずるりと中からフレンのが引きずり出され、男ならば次に来る衝撃はもう分かっていた。
思い切り中へと突きいれられる。
「ぅあっ!?」
「ゆーり……、ゆーりの、好きなトコ、ここ、だよね」
「や、やぁっ、ンぁ、そこ、やァ」
思い切り腰を動かされ、さっき理解出来ない感覚を走らせたそこを集中的に突かれる。
気持ちがいいとか認めたくない。
ザワザワと体を何かが走り抜ける。そんな訳の分からないものに自分を持って行かれたくない。
けれど、フレンが、上に乗っかっている男がユーリを無理矢理そこへと連れて行こうとする。
ユーリはそれが堪らなく恐かった。
「ふれっ、やっ、こわっ」
「…大丈夫だよ。ゆーり。ほら、僕に捉まって」
胸にある、フレンの服を握りっぱなしの手を優しく解き、自分の首に回させる。
ぎゅっとユーリが恐怖から逃げようと無意識的にフレンの首に抱きついた。
可愛い…。
(顔も、体も、真っ赤だ…。僕がゆーりをこうしたんだ…。僕が、ゆーりを抱いてる。…ゆーりと一つになってる。―――嬉しい。嬉しいっ)
もっと見たい。
もっと、もっとユーリが乱れてる姿が見たい。
感情のまま、ぐっと奥を突く。
「ひっ、あっ!?」
「ゆーり、もっと、見せてっ」
もっともっともっと、ユーリの全てを知りたい。
奥へ奥へと腰を深めながら、自分の快楽を求めて、フレンはユーリの体への愛撫を再開する。
逃げたいのに、フレンが与える快楽がユーリの思考を理性を染めて行く。
フレンが唇に、首筋に、胸に、キスを落とすたび、ユーリの体はビクつき中にあるフレンを締め付けた。
そして、さっきイかせて貰えなかったそこに、フレンの手が触れる。
それから、フレンはユーリの耳元に顔を近づけ、一緒に、イこう?と呟くと同時にユーリを追い上げ、気付いた時には二人同時に吐き出していた。
(お、わった…のか…?)
自分の中に吐き出された感覚はある。
まだ、自分の中にフレンがいる事もわかる。
そして、自分もイった所為でだんだん思考がクリアになってきた。
(くそっ。滅茶苦茶しやがってっ)
射精した余韻で二人息が整わず、ただ荒い息だけが部屋に響く。
満足そうに笑うフレンに腹が立ち、力の入らない手でフレンの後ろ髪を引っ張った。
「お、わったんなら、は、やく、抜け」
「…ゆーり…」
フレンがちょっと困った様に笑う。
すると、フレンの手がユーリの顔にかかっている髪をそっとはらい、唇へとキスを落とした。
「ンんっ!?」
キスに驚いた訳じゃない。
今更キスに驚いたりしない。
なら、何に驚いたか。それは…。
(まさか…っ!?)
ユーリの嫌な予想は当たってしまった。
自分の中にあるそれが、固さを取り戻し始めている。
顔を振りフレンの唇を離すと、フレンは幸せそうに微笑んだ。
「ゆーり、もう一回、してもいい?」
「い、嫌だっ!!もう、嫌だっ!!」
「もう一回だけ。ね?」
そう言って、腰を動かし始める。
フレンが中に吐き出したものがぐちゅりと出し入れされる度に鳴り響く。
「も、やだっ、や、ぬい、てっ」
「ゆーり…、ゆーりっ」
ユーリが幾ら泣いてもう許してくれと懇願しても、フレンは許す事も無く、フレンの体力が限界に達し気絶するまでユーリは責められ続けた。
―――翌日の朝。
チュンチュンと鳥が囀る爽やかな朝。
そして昨日あれほど乱れまくった下町の宿。
「……え?」
何時もの様に朝日に目を覚まし、フレンはフリーズした。
自分の腕の中にいる、予想外なものに。
「えぇぇぇぇぇっ!?」
ユーリの泣き腫らした目元。毛布の中は真っ裸。体はべたべた。
何があったなんて一目瞭然である。
ある…のだが…。
……どうしたらいいのか。
ついつい、驚きに声を上げてしまったけれど、ユーリは起きない。
(ど、どれだけ疲れさせたんだろ…。僕…。ユーリってどんな小さな物音にも気付くのに…)
じーっとユーリを眺める。
首筋には鬱血の跡があり、肩にはフレンがつけたであろう歯形まで
。
フレンはユーリのその姿に自分のした事を想像して段々顔に頭に熱が上がって行った。
そっと手を伸ばしユーリの首筋に、自分の付けたとしか思えない鬱血に触れると、ビクリと体を震わせたユーリが閉じた目を開いた。
「……よぉ…」
「お、おはよう。ユーリ」
「………ょぅ、じゃ…げほっ」
声が出ない。
辺りを見回し、そう言えば水がない事に気付く。
だが、ユーリの求める物に気付いたフレンが慌てて服を着て、部屋を出て行き、戻って来た手には水差しとコップがあり水をコップに注ぎユーリに差し出した。
それを受け取り、一気にそれを呷ると、唸るような声でフレンの名を呼んだ。
「…お前、昨日オレに何したか、覚えてるか?」
「それが……全然」
「…だろうな。お前は酔うといっつも覚えてねぇもんな…。はぁ…」
「でも、何をしたのかは想像つくよ」
「ほぉ…?んじゃ、オレに言うべき事は分かるよな?」
「あぁ」
ユーリからコップを受け取り、それを水差しと一緒に机に置くと、横になっているユーリの上に覆いかぶさった。
「ちょ、お前っ、何のつもりだっ!?」
「え?だから、ユーリを改めてちゃんと抱こうかと」
「はぁっ!?」
「安心して、ユーリ。今度こそちゃんと覚えておくから」
「そ、そうじゃねぇだろっ!オレを強姦したんだから謝るとかっ!」
「え?何で?」
「何でってお前っ!?少しは後悔とかしないのかよっ!!」
「後悔はしたよ?だって、ユーリの可愛い姿少しも覚えてないんだから。これを後悔しないで何をしろって言うんだいっ!?」
「言うんだいっ!?って、逆切れかよっ!」
フレンの手がユーリの体を撫でまわす。
動かない体を必死に動かし逃げようとするユーリは必死だ。
「ユーリ、好きだよ」
「んな言葉に騙されてたまるかーーーっ!!」
フレンとユーリの攻防戦が続く。
昔、フレンはアシェットに言われたのだ。
『酔った状態ならユーリにキスしたって何したって許されるだろ。案外SEXも許してくれるかもしれねーぞ?』と。
それがフレンのユーリへの愛情(理性)のストッパーをブチ壊した事をユーリが知るのは、ユーリがフレンの告白を受け入れて抱かれる事に抵抗が無くなる頃だったりするのだが、今のユーリはまだ知らなかった。