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吸血恋歌





【7】



「あぁ、また来たのか」
「この書類書くの面倒なんだけどな」
「とは言え、仕方ないだろう。これを申請しないと血液パックを貰えないんだから」

兄さんの言葉に、僕はしぶしぶ頷く。
えぇーっと、氏名は…フレン・シ―フォ。年齢は…もう21位で書いてもいいかな?
それから…。
どんどん書類を書いて行き、皆の筆がある一点で止まった。
それは…【配偶者】
三人丸い机に向かっていたのに、同時に顔があがり互いに視線で会話する。
誰が、配偶者の所にユーリの名を書くか、である。
これが吸血鬼の役所に申請する書類なら別に三人が三人ともユーリの名前を書いて良いんだけど。
そうもいかないのが、これが人間界に出す書類だからだ。
同じ名前の兄弟が三人ならまだ何とかごまかしがきくものの、流石に三人が三人とも同じ名前の嫁をとるって事はありえないだろう。
皆が同じ事を考えていたんだろう。
だが、それを口に出す事を躊躇っていると。
流石、長男と言うべきか。

「…どうしようか」

兄さんが、疑問を持ちかけた。
きっと皆思いは同じだ。
自分がユーリを嫁にしたいと思っているに決まっている。
書類上とは言え、吸血鬼世間にも認められる夫婦になるのだから。

「きっと皆、同じ考えだろう?」

兄さんの言葉に僕と弟が頷く。

「じゃあ、ここは平等にユーリに決めて貰おうか」
「それも、そうか」
「異議はないよ」

僕達は立ちあがり、ユーリが丸まってお昼寝しているであろう、日光の良く当たる暖かい部屋に移動した。
けど、日光に弱い僕たちだ。
堂々とは入れず、ひょいっと覗くだけ覗いてみると、逆にユーリが僕達に気付き猫の姿から人型に変わり、歩み寄って来た。

「どうしたんだ?お前等この部屋苦手なんだろ?」
「うん。実はユーリに話があって」
「オレに?」
「そうなんだ。これは皆で話さないといけない内容だから、すまないがユーリも来てくれるかい?」
「良くわかんねぇけど、いいぜ。何処に行くんだ?」
「リビングに」

僕達四人は揃って、もともといたリビングへと戻った。
先頭を歩いていたユーリは机の上に乗っていた書類に気付き、そっちに視線を落とした。
あれ?
ユーリって吸血鬼文字読めたっけ?

「これなんだ?」

あ、やっぱり読めないのか。
まぁ、別に読めなくても何の問題も無い。

「僕達、吸血鬼が定期的に出さなきゃならない書類なんだけど」
「それで、ある一点で止まっちゃって」
「それについてユーリに意見を聞こうかなって」
「?、意見?オレが関係するのか?」

首を傾げると、サラサラの黒髪が横へと流れる。

「うん。君を誰が奥さんにするか、だからね」
「ユーリは僕達三人の中で誰の奥さんになりたい?」
「恨んだり、苛めたりしないから、誰か一人選んで?」

言うと、ユーリは明らかに不機嫌そうな表情を作って僕達を睨んだ。
…今僕達はユーリが不機嫌になる様な事を言っただろうか?
理由が分からなくて、今度は僕達が首を傾げると。

「…オレは、お前等三人の嫁になったんじゃねぇの?」
「えっ?」
「オレは、お前等誰か一人の嫁になるのか?」

不機嫌な表情の割に、尻尾と耳がたれて、しょぼんとしてるのがハッキリと分かる。

「ユーリ?」
「それに…何時まで経っても、何回しても、子供出来ねぇし…」

ますますしょぼんとするユーリに比例して僕達の心はどんどんユーリへの愛しさが溢れて行く。
ユーリが口にしている事を翌々考えてみれば。
ユーリは僕達三人の嫁であって、誰か一人の嫁じゃない。
それに、奥さんになってる筈なのに、子供が出来ない。
と悲しんでいる訳で…。
これが嬉しくない訳が無いっ!
思わず僕達はユーリを抱き締めていた。

「ユーリ」
「君は僕達三人の、奥さんだよっ」
「でも、この書類は一人にしか書けないんだ」

だから、誰か一人決めてくれないと僕達が困ると。
それでも、ただこの紙っ切れ一枚の問題だから、ユーリは僕達の奥さんな事には変わりない。
そう必死に説得しても、ユーリはやっぱりしょぼんとしたままで。

「…仕方ない」
「ここは平等に」
「勝負にするかい?」

しょぼんとしたユーリを抱き上げて、ソファへと寝かし、兄さんが僕達を見た。

「どうするんだ?」
「ユーリに決めて貰う事は変わらないよ。ただその方法を変えただけだ」
「方法?」
「そう。これから一人、そうだな。15分の間にユーリを何回イかせられるか。イかせた回数の多い人がユーリを書類上嫁にする権利と、真っ先にユーリの中に入れる権利を得る事が出来る。これでどうだい?」
『乗ったっ』

僕と弟は同時に答えていた。

「順番は?」
「じゃんけんで」
「タイムはどうやって計る?」
「じゃあ、このキッチンタイマーを使おうか」

ちゃくちゃくと準備をして、じゃんけんをする。
そして見事に年齢順になってしまった。
取りあえず、全員でユーリの服を脱がす。

「ちょ、えっ?なに、す?」

焦るユーリに笑顔で答え、もくもくと服を脱がし、暴れるのを防止する為腰の帯で両腕を後ろで重ねる様に縛る。

「さ、てと」

兄さんが上着を脱ぎ、ユーリを膝に抱き抱える様にソファに座った地点で、勝負開始。
僕達は椅子に座り、早速キッチンタイマーのスイッチを入れた。

「ごめんね。ユーリ。体暖めてあげる時間も無いから、直で行くよ?」
「えっ、ぁッ!?」

兄さんの手が後ろからユーリの反応していないそれを緩く確実に扱き始める。
行き成りで驚いたユーリが腰を引くけれど、後ろには勿論兄さんの体があり、逃げる事など不可能だ。
ユーリが感じる所を集中的に弄って行く。

「ん、ぁ、ぁ…、ふれっ」

そもそもユーリは感じやすい。
体の何処触っても感じるんだから、男が一番感じる所を弄ってしまえば、直ぐに達してしまう。
案の定、ユーリは声を抑えながらも、兄さんの手に白濁を吐き出していた。

「はっ…はぁ……はぁ…」
「まだ、アラームは鳴ってないね」
「んっ」

今度は、ユーリの耳の裏をゆっくりと舐めて、首筋まで進む。
態と煽る様に何度も何度も同じ所だけを舐める。
するとユーリの体はふるふると震え、出したばかりのそれが勃起し、兄さんはそれを愛おしそうに撫でて…。
けれど一度出した所為か、少し体が落ち着いているのか、荒い息のままな事はままだけれど、中々イくまでには達しないみたいだった。
体が疼いてはいるみたいなんだけどな…。
そうこうしている間に、時間は過ぎ、ユーリが漸くイケそうと体を震わせた瞬間、ピピピッとアラームが鳴った。

「あぁ、間にあわなかったか」
「…ぇっ…?」

兄さんから僕へとバトンタッチ。
でもこれって結構有利かもしれない?
潤んだ瞳で僕を見つめるユーリにごくりと生唾を飲みながら、真正面から抱き締める。
許されるなら、中に入れたい。
でもそれをしたら反則だし…。
ピッと音がしてタイマーが動いた事に気付き、僕はしゃがんでユーリのそれを口に含んだ。
そして口の中で、舌を動かした瞬間喉の奥に熱い飛沫がぶつけられる。
その口の中のミルクをごくりと飲むと、ユーリは顔をもっと紅くして肩で息をする。
けれど、間を与えずに、ユーリのそれに吸い付く。
僕は兄さんみたいにゆっくり何てしてあげない。
手で乳首を捏ねて、少し痛みを与えて、それを宥める様に撫でて…。

「や、ふれッ、……ぁンッ」
「僕は兄さんみたいに優しくないよ?ユーリを気持ち良くさせる為なら、手加減しないから」

口を離してユーリの耳元で囁く。
ふるふると頭を振って、逃げようとするユーリを抑えて、起ち上がり震えるそれを扱く。
耐え切れずに、出しても、止めない。
まだまだ、絶頂に追い込む。
愛撫する手を止めず、大分薄くなったものの、僕の手にユーリは白濁を吐き出した。
…これだと負けちゃう可能性があるな。
だったら…。
そのままぐっとキツメに握り更に出したばかりのそれを追い上げる。

「やっ、やぁっ」
「ほら、イって」
「ぅ、ぅぅ…あッ」

高い所から戻ってこれないユーリがまた体を震わせて、少ないそれを手に吐き出す。
これで三回か…。
もう一回行けるかな…?
と思った時、ピピピッと音が鳴った。
口を手の甲で拭い立ちあがり、弟と交代する。
ユーリの精で濡れた手をハンカチで拭いて、熱くて邪魔になった上着を脱ぎ、椅子の背もたれにかけると、その椅子へと座る。

「…兄さん達ずるいな。もう、ユーリ出すものなくなってるし…。僕が圧倒的に不利だ。…だから、指だったらいいよね」

弟は決めていたのだろう。
寧ろ僕達の意見なんて求めてない事がはっきりと分かる。
何故なら、ユーリの中に既に指を突き入れていたから。
慌てて、僕達はタイマーのスイッチを入れた。

「やぁっ、ゆ、び、やぁ…」
「嫌じゃないだろう?こんなにひくひくして…。本当は僕達を受け入れたくて仕方ないんだよね」

弟が激しくユーリの中で指を動かす。
最初一本だった指が二本に、三本にとどんどん増えて行く。
バラバラに動く指にユーリの体が真っ赤に染まっていく。
本当に美味しそうだな…。
が、ぐっと我慢する。
中のユーリのいい所を集中的に突いているんだろう。
ユーリの腰が後ろへと引いているけれど、その腰すら抑え込み突く。
直ぐに限界が来たユーリが達したが、もうトロトロと溢れさせるだけで。
ユーリが意識を飛ばしてしまった。
こうなってしまっては、弟はどうしようもない。
一応時間一杯、中を弄っていたけれど、達する事はなく…。
ピピピッとタイマーの音が鳴った。

「ずるいな、兄さん達」
「まぁ、そう言わないでくれ」
「この勝負、僕の勝ちって事で良いのかな?」

聞くと二人は仕方ないなと頷く。
早速、ペンを持ち配偶者の所に名前を書く。

「僕達はどうしようかな〜…」
「うん。そうだね。嘘は書きたくないし、かと言って…」

話しあっていると、気を失っていたユーリの瞳が開いた。
その瞳がじっと僕達三人を見ている。

「…オレ、じゃ駄目なのか?」
「え?」
「三人とも、その『はいぐうしゃ』って所にオレの名前じゃ駄目なのか?」
「それは…」
「オレは、…そこにオレ以外の名前書かれるの…なんか嫌だ」
「ユーリ…」

その涙目は、反則だった。
そして、ユーリへの答えは考えるまでも無かった。

「そうだね。今更かもしれないね」
「うん。僕達の名前だって同じなんだ。恋人の名前だって同じでもいいかもしれない」
「そこは役所に頑張って貰おう。ね?ユーリ」

言うと、ユーリが幸せそうに微笑んだ。

「なぁ、フレン、これ解いて」
「うん?」
「帯」
「あぁ、ちょっと待って」

僕が帯を解くと、ユーリは僕の首に腕を回して、そして…。

「ッ!?」
「………ん」

唇に何か触れて…。これは、ユーリの唇?
まさか、ユーリからのキスっ!?
どうしよう、嬉しくてどうにかなりそうだっ!
ユーリの腰に腕を回しぎゅっと抱きしめる。
すると、ユーリの方から唇を離した。

「二人も、こっち来て」
「あぁ」
「うん」

近寄った二人にも唇にキスを落とす。
二人も僕同様感動して、ぎゅっとユーリを抱き締めた。
でも、どうして行き成りキスなんか…?
そう言えば、僕達もユーリに唇にキスをした事無かったかもしれない。
されてみて、漸く気付く。

「ワーキャットでは、キスするって事は相手と一生を共にするって意味があるってどっかで聞いた事がある」
「ユーリ…」
「だから、した。…なぁ、吸血鬼はどうすれば、一生を共に出来るんだ?オレ、気付いた事がある。オレとお前等と体の成長速度が違う。なぁ、どうしたらお前等とずっと一緒にいられるんだ?」
「……何か、今日は君に喜ばされてばかりだな」
「なぁ、どうなんだ?もしかして出来ないのか?」
「…いや。出来るよ。でもいいのかい?僕達とずっと一緒にいるって事は、君も吸血鬼になるってことだ」
「オレも吸血鬼に?」
「そう。ユーリが言った様に僕達とユーリの成長速度は違う。だからその問題を解決して一緒にいる為には君に吸血鬼になって貰わなきゃならない」
「別に、構わねぇよ。オレは…自分の体が変わる事より、お前たちより早く死ぬ事の方が嫌だ」

幸せ過ぎて死にそうだ。
凄いプロポーズを僕達は受けた。
だったら…。ユーリの気が変わらない内に。
僕と兄さんは、弟の顔を見た。
弟は指の先を口で切ると、ユーリの方へと預けた。

「ユーリ、本当にその覚悟があるのなら、僕の血、舐めて。そうすれば君も吸血鬼になれる」

その言葉を聞いたユーリに躊躇いは無かった。
指を丸ごと口に含み、口内でユーリの舌が指へと絡みつく。
その色っぽさにずくんと別の所が疼く。
ゆっくりとユーリが弟の指から口を放して、ぺろりと赤い舌が唇を舐めた。

「これでオレは吸血鬼?」
「いや、後三日は僕の血を飲まなきゃいけない」
「そっか」

弟がそう言うと、ユーリはしっかりと頷いた。
…もう、充分我慢したよね?
したよね?
僕はユーリをぐいっと引き寄せ、一緒に立ちあがるとそのまま膝裏に手を差し込み、ゆっくりとユーリの中へと侵入した。

「ぅあっ!?…ぁ…ぁあっ」
「ごめん、もう我慢できない」
「僕も、無理だ」
「こんなに煽られて、我慢何て無理だっ」

ユーリの斜め後ろに回り、二人が同時に僕が入っているそこへ押し込んでくる。
立っている所為か、入れやすく思ったよりもすんなりと三人分を受け入れる。
しかし、それは僕達の視点での話で。
突然、しかも太いのが三本も体に刺さったユーリにしてみたら、呼吸もままならない状況だった。

「ユーリ、大好きだよ」
「これから、僕達が死ぬまでずっと一緒だ」
「愛してる」

ユーリが落ち着くのを待つ事無く、僕達は動き始める。
バラバラに。
自分の快楽だけを求めて。

「やぁっ、あ、あっ、、たい、いたいっ、ふれ、ふれんっ」

ユーリが苦しそうな、泣き声の様な声を上げて、ぎゅっと僕に抱きつく。
その声を上げている唇を深く重ねて、僕達はただユーリを絶頂へと導き続けた。
さっきあれだけ出したユーリはもう出すものも無く、それでもお腹と擦れるそれはとろとろとミルクを溢れさせる。
それでも、イく瞬間僕達をきつく締めて、僕達はユーリの中へ吐き出した。
まだまだ足りない。
抜かずにもう一度、動き出す。
弟がユーリのそれを弄り、兄さんがユーリの首を支えて口内を奪い取り、僕は美味しそうな胸の尖りを舐めて。
どこにも逃がす事が出来ない快感に、ユーリの手は僕の腕にすがる様にしがみつく。
ワーキャットの爪。刺さると痛い。けどその痛みすら僕には愛おしい。

「ん、んん、ン、んっ、んんんーーっ!!」

ユーリの足がぴんとつっぱり、くたっと力が抜けた。
また、気を失ってしまったらしい。
でも止められない。
止まれない。
僕達三人は顔を見合わせて、頷きそのまま動き出す。
まだまだ、全然終われそうになく…。
今だってまだ昼前なのに…翌朝まで僕達はユーリを抱き続けた。

翌々日。
流石に寝込んでしまったユーリを看病しつつ、僕達は書類を提出した。


勿論、配偶者の所には『ユーリ・ローウェル』と三人とも記入して―――…。




















アトガキっぽいもの。


ミルティ様からのリクエストでした(^◇^)

吸血鬼三兄弟フレン×ワーキャットユーリ。

こんな感じでよろしかったでしょうかっ!?
多分、多分全部やりきれたとおも、思って…るの…(≧ω≦:)
頑張ったのっ!!
でも拾いきれてなかったらごめんなさいっ!!
土下座する気まんまんですっ!!wwwwww
書いてて楽しかったですが、何分書くのが遅くて済みませんでした。
細かい設定が一杯で、その中にアタシのを入れ込むとなるとー?
ってぐるぐる考えるのもまた楽しかったですwwwww
ではでは、次のリクエスト完成までお待ちくださいませ〜(*^_^*)ノシ