証
後編
「え?じゃあ、何っ?あの二人って婚約してる訳っ!?」
「うん。そうみたい」
「うそー…」
シャスティルとヒスカは二人ベットに転がりながら今日の状況報告をしていた。
勿論、ユーリとフレンの話だから騎士団の宿舎でする訳にも行かず、奮発して少し高めの宿を取ってである。
「本当に小さい頃、会ってるんだって。その頃はユーリもちゃんと女の格好してたらしいんだけどね。お互いの両親がお似合いだって結婚の約束をして、二人とも異存はなかったから了承したんだって」
「へぇ」
「ユーリはそれが凄く嬉しかったらしくて。ご両親が亡くなった後も何とかフレンと並んで立てるように色々頑張ったらしいんだ。ご両親の記憶はほとんど残ってないらしいけど、その婚約の話だけは記憶に残っててそれを励みに頑張ったんだって」
「…なのに、フレンは綺麗さっぱり忘れてしまっていた、と?」
「そゆこと。まぁ、確かに、やたら男らしくなって再会したみたいだから、男だと思ってその婚約も冗談だって思っても仕方ないかもしれない。けどさー」
「あー…本気の本ッ気でユーリに同情してるわ、私」
「今でも、フレンが思い出してくれたらいいなって思って、自分から口に出せないでいる訳でしょ?」
「しかも、対等でいられる今が幸せなのに、フレンが突っかかって行ったりするから」
「ユーリ、女の身で頑張って騎士団に入ったのに。しかも下町出身者よ?どれだけ苦労したか…」
「全てフレンを思っての事なのに…」
「あ、なんか、泣きたくなってきたわ」
「私も…」
ユーリを思って切なさのあまり双子はポケットからハンカチを取り出して涙を拭いた。
「…もう一発殴っておけば良かった」
「私も明日殴ろうかな」
と、不吉なことを双子が話していた数日後。
フレンは幸運な事に、双子に殴られる前に隊長命令で帝都へと向かい、残されたユーリ達がいるシゾンタニアは魔物の襲撃にあった。
ランバートの命を自ら断ったユーリと援軍を得られなかったフレン。
どちらも自分の力不足の結果で。
その焦りと苛立ちが二人を殴り合いの喧嘩まで発展させた。
隊長に怒られ、我に帰っても、二人の意見が交差する事はなく。
結局、ユーリは自室から出て行った。
数時間後、戻ってこないユーリに流石に焦り出したフレンがドアを開けると、そこに立っていたのはユーリ付の先輩騎士の姿だった。
「先輩…」
「どこに行く気?フレン」
「それは…ユーリを、探しに…」
素直に目的を告げると、何故かヒスカの瞳がキリキリと吊り上がった。
「…フレン、あんたは部屋で待機。これは先輩命令よ」
「えっ!?しかしっ!」
「いいから部屋にいなさいっ!!フレンっ!あんた、本当に最低よっ!!」
声を荒立てて怒鳴るヒスカの声に、なんだなんだと他の隊員が集まってきた。
「私、言ったわよねっ!ユーリが女だってっ!その顔を、体を感情のまま殴って…好きな女を本気で殴るって、どういう了見なのっ!!」
「…っ!」
フレンが自分のしたことを思い出し、きつく拳を握る。
言われなくても分かってる。
自分は、ユーリが女性だと知っていても、その激情を抑えることが出来なかった。
でも、フレンの反省など関係ないと断ち切る位にヒスカは怒っていた。
(ユーリは自分の好きな男に殴られたのよ…。ずっと、ずっと想ってきた相手に…。こんな、こんな反省じゃ生温いわよっ!!行かせないっ!!ユーリの傍になんてっ!!)
ヒスカはつかつかと踵を鳴らし、フレンの前に立ち。
パァンッ!!
辺りに音が響く位の強さでフレンの頬を張った。
「例え、ユーリがフレンに会いたがったとしても、私は認めないっ!!アンタは一晩部屋で反省しなさいっ!!」
そう泣きそうな顔で言うとヒスカは走り去っていった。
残されたのはフレンとその一部始終を見ていた男性隊員。
「おーおー…やられたな、フレン」
そんな男性隊員を掻き分けてのっそりと現れた隊長の姿にフレンは錆びた機械の様に顔を向けた。
「たい、ちょう…」
「あー…よし。お前ら、全員集合っ。俺の部屋で飲むぞー」
「え?うわっ!?」
隊長にヘッドロックをかまされ、そのまま引き摺られていくフレンの後をただ酒が飲めると男性隊員たちが喜んでついて行く。
一体、どうしてこういう展開になってしまったのか。
さっぱり理解出来ないが、隊長の拘束から解放されることもなく、部屋へと連行された。
隊員たちは仕事をこなす速さの数倍の速さで飲みの準備を始める。
勿論全員が座るソファなどないので、全員でソファを寄せて、直に床に円形になり座る。
「おら、フレンはジュースな」
「あ、はい。有難うございます…」
「いいかー、フレン」
ジュースを渡されて一口飲んでいると、真剣な声で名を呼ばれ姿勢を正す。
「女ってもんは、一生男には理解出来んっ」
「…は?」
「俺も嫁さんの事はさっぱり分からなかった。今でも正直わかんねぇよ。でもな」
「……」
「大事にしてぇなら…どうしようもない感情でも一時飲み込め。その一言で取り返しのつかなくなることもある」
「飲みこむ…」
「我慢しろって言ってんじゃねぇぞ?ただな、一時の感情に流されて後悔した男は一杯いる。特に恋愛に関しては、な」
うおおおおんっ!!
突然隊員の半分が泣き始めた。
一時の感情に流されて後悔した男たちである。
酒の勢いでOVL発動中。
「あぁはなりたくねぇだろ?騎士なんてやってっと、恋愛のチャンス何て砂漠の砂から砂金見つけるようなもんだぞー」
「うぅ…」
隊長の言葉はどでかい矢となってフレンと隊員たちの胸に突き刺さる。
「僕も、分かってはいたんです…。でも、どうしても、ユーリの前だと…」
冷静になれない…。
そんな感情すら理解済みの男たちは、大きく頷いている。
「でもな、フレン」
「はい…」
「女を殴るのは確かにいただけねぇな」
「はい…」
ヒスカだけでなく隊長にまで言われ、隊員に大きく頷かれフレンは盛大に落ちこむ。
だが、そんなフレンの頭を隊長は大きな手でぐわしぐわしと撫でると、ニヤリと人の悪い笑みを浮かべた。
「フレン。女を大人しくさせるには殴るよりいい手があるぞ?」
「えっ!?」
そんな方法があるのかっ!?
その方法が分かれば、殴り合うより先に話を聞いて貰えるかもしれない。
期待に胸を膨らませ、隊長の言葉を待つ。
「聞きたいか?」
「はいっ!」
「それはなー。ベットに」
「おおっとぉっ!!手が滑ったぁっ!!」
バシャッ!!
副隊長ユルギスの持っていたグラスの酒が盛大に隊長の顔にかけられた。
「ユルギス…」
「なんでしょうか、ナイレン隊長」
にっこりと微笑むユルギス副隊長の表情の裏には『若い騎士に碌でもない事を吹き込まないで下さい』とありありと書いてあった。
別にいいじゃねぇか、そう言おうと口を開きかけるが、ユルギスの手には二杯目のお酒が待機されている。
それをもう一度かけられるのは勘弁と、ナイレンはフレンの頭をぼしぼしと叩いて笑って今の流れを誤魔化した。
しかし、女を大人しくさせる方法ってなんだったんだろう?
いつか機会があったらもう一度聞いてみよう。
フレンはそう心に誓うと、ナイレンの為にタオルを取りに席を立った。
※※※
「ユーリ…」
名を呼ばれ声のした方を見ると、そこにはシャスティルが立っていた。
「どうした?珍しいな、シャスティルがこんな時間に犬舎に来るなんて」
笑って答えると、シャスティルはユーリへと走りよりユーリをきつく抱きしめた。
「お、おい?」
「バカ…。あんたは本当にバカなんだから。…辛い時は泣きなさいよ。我慢してたって…良い事なんてないわよ」
「…泣けねぇんだよ。…ラピードの前で泣く権利何てオレにはないんだ…」
抱きしめるシャスティルの背に腕を回してぐっと拳を握る。
「……頬、痛む?」
そっとシャスティルの手が、フレンに殴られた頬に触れる。
それに全然と笑って首を振る。
ユーリの表情を見ればそれが嘘だとはっきりと分かるのに、ユーリは無理をしてでも笑顔でいようとする。
きっとそれがユーリなりの自分への防衛なのだろう。
「…そう。ねぇ、ユーリ」
「うん?」
「今日は私達と一緒に寝ましょ」
シャスティルは努めて明るくユーリを誘った。
けれど、それにユーリは緩く首を振って断る。
「今日は…いや、暫くはラピードの傍にいてやりてぇんだ…。もう、こいつも独りだから」
傍に丸くなって気持ち良さそうに寝ているラピードを撫でてやりながらユーリは言う。
けれど、シャスティルも今日は退けなかった。
こんな壊れそうなユーリを一人にしておきたくなかったから。
「いいからっ。これは先輩命令ですっ。ラピードと一緒に私達の部屋に行くわよっ」
ぐいっとユーリの腕を引っ張り、ついでに眠っているラピードをもう一方の手で抱き上げる。
「なんだよ、今日はやたら強引だなー」
「そうよっ。ここであんたを一人にしたら私達が後悔するからねっ」
はっきりと言ってやると、ユーリは仕方ないなと笑って立ち上がった。
その笑顔が無理矢理な笑顔でない事に少しほっとする。
シャスティルに連れられ、二人の自室へ連れていかれドアをシャスティルが開けると、中ではヒスカが寝床の準備をしていた。
もともと部屋は二人部屋でベットも二つしかない。
けれど、ヒスカはユーリの為にどうやらベットを二つくっつけてくれていたようだ。
「さ、今日はパジャマパーティよっ!!甘い物もじゃんじゃん食べましょっ!!」
「そうそうっ!!辛い事とか嫌な事とか悲しい事は全部明日に回して、ねっ!!」
ヒスカとシャスティルがベットの上に少し大きめな布を中央に置くと、その上にどっから取り出したのか大量のお菓子が並べられる。
チョコに、ビスケットに、プチケーキ、カットされた果物が載った皿、そのほかにも沢山。
「こりゃ、凄いな」
「でしょう。ほら、来なさいよ、ユーリ」
「今日は、一緒にいてあげるから…」
二人が優しく微笑む。
その笑顔に、優しさに視界が歪む。
けれど、ユーリは涙を流すことが出来なかった。
嬉しくて堪らないのに…。
昔から、ユーリは人前で泣けないのだ。
……一人を除いては…。
「ほんと…感謝するよ。シャスティル、ヒスカ…」
感謝の気持ちだけでも伝わるといい。
ユーリは心の底からそう思った。
数日後。
ナイレン隊は帝国の応援を待たず、湖の遺跡へと調査に向かった。
そこで待ち受けていたのはナイレン隊長の死。そしてその最中にフレンが気付いたガリスタの裏切り。
ユーリとフレン。
二人はガリスタに立ち向かい、そして、ユーリはガリスタの胸を貫いた。
そして、一連の事件からシゾンタニアを帝国が放棄する事を決め、朝からその片づけに追われていた。
ユーリも騎士団を辞める事を副隊長に告げその事後処理をしている。
漸く解放されたその日の夜。
フレンは自室へ向かって歩いていた。
すると、そこには赤髪の双子の先輩騎士が待機してこっちをにらんでいる。
「…ねぇ、フレン」
ヒスカに名前を呼ばれ、フレンは真っ直ぐその前に立つ。
「聞いてもいいかしら」
「はい。僕に答えられることなら」
「…そう。じゃあ、一つだけ聞くわ。フレン、貴方、ユーリとの婚約、覚えてるの?」
「婚、約…?」
一体何の話をしてるのか。
理解出来ないが、頭の片隅で何か引っかかる点がある。
過去を思い出してみようと記憶を遡ってみると。
『ねぇ、ユーリ。フレンがユーリの事好きなんだって。ユーリも、フレンの事、好き?』
母の声と一緒に、ユーリの幼い頃の姿が思い出される。
ワンピースを着て、真っ白な帽子がユーリの黒髪に映えて、とてもとても可愛くて。
ユーリがおっきく頷いてくれた事が飛び上がりたくなるくらい嬉しくて。
『じゃあ、ユーリ。将来、フレンと結婚してくれる?』
『…フレンがオレの事好きでいてくれる、なら…』
『そう。じゃあ、大丈夫っ。例えフレンとユーリが別々の道を歩いたとしても、フレンは必ずユーリを好きになるからっ』
母の自信満々の言葉と結婚の約束。
あんなに嬉しかったのに、どうしてフレンは忘れていたのか。
ユーリを男だと勘違いしてしまったから?
でも、どちらにしても、母の言葉通り、フレンはまたユーリを好きになった。
「…その顔じゃ、今思い出したみたいね」
シャスティルに言われて、フレンはこくりと頷く。
そんなフレンに呆れながらも二人は微笑み。
「でも、まぁ、いいわ。今でもなんでも思い出したのなら」
「そうね。今ならユーリに優しくしてあげられるでしょ」
「ユーリは部屋にいるわ」
「…ユーリ、誰の前でも泣いてないの。…フレン。傍にいてあげなさい」
そう言って二人は立ち去った。
フレンは自室のドアを開けて、その幻想的な景観に心を奪われた。
月明かりの下、ただ窓から空を見上げているユーリの姿。
風がその黒く艶やかな髪を撫でて行く。
あまりに綺麗で儚いその姿に。けれども、その一方で…まるで、月の光と共に消えていなくなってしまいそうな恐怖感もあって。
フレンは思わずユーリの名を呼んでしまっていた。
「……ユーリ…?」
「……ん?あぁ、フレンか」
その声にやはり何時ものユーリらしさはなく、けれど振り返ったその表情を見て、フレンは全て理解した。
ユーリは、涙も流さずに泣いているんだ、と。
どうして一人で我慢するんだろう…。いつも…。
切なくて堪らなくて。
フレンはユーリを無意識に抱き締めていた。
「ふ、れん…?」
何も答えられない。でも…手を、ユーリを離したくない。
するとユーリは戸惑いながらも、そっとフレンの背に手を回してきた。
「…どうしたんだよ、フレン」
「それは、僕のセリフだ」
「……?」
「まるで、君が月の光に導かれて消えてしまいそうで…」
「ははっ、なんだよ、それ」
ユーリの肩が震えていた。
「ユーリ…」
泣いてる…。あの、ユーリが。
その時、ふとヒスカの言葉がフレンの頭を過った。
『知らないようだから、言っておくけど、ユーリ、女よ?』
そうだ。ユーリは…女性なんだ。
こんなにも細い体で、戦って…。
しかも、ユーリに人を…殺させてしまった。
(僕は…、僕は一体何をやっていたんだろう…)
ユーリをこんな風に泣かせて。
ユーリの事を何も理解していなかった自分に腹が立って悔しくて。
視界が滲み頬を滴が伝った。
「フレン…?」
お前も泣いてるのか?
ユーリがフレンの頬を両手で包み、その涙で潤んだ瞳でフレンの瞳をじっと見つめる。
「…久しぶりに見たな、お前の泣き顔」
「そんなの、お互い様だよ」
「だな…」
そうして微笑むユーリがとても綺麗で、フレンのユーリのその唇に無意識に己の唇で触れていた。
「ん…」
驚くユーリをもう一度きつく抱きしめて、フレンはユーリの耳元で囁いた。
「ねぇ、ユーリ…。昔の約束ってまだ有効かな」
「え…?」
「僕は、君と結婚したい。ずっと…ずっと好きだったんだ、君の事が…」
「う、嘘だ。だって、お前、オレの事、嫌って…」
動揺するユーリを落ち着かせるように、昔したようにその額にキスをする。
「嫌った覚えはないよ。僕は君が男でも女でも愛してる」
「絶対嘘だ。信じらんねぇ。約束だって本当は覚えてなかったくせに」
「…ごめん。再会した時、何でか僕は君が男だと思い込んでしまって…。男だったら結婚は無理だろ。だから…」
「なん、だよ…それ…」
「それでも、ずっと一緒に隣にいて欲しいと、ずっとずっと思ってたのは君だけなんだ…」
「フレン…」
「それだけは、信じて欲しい。君が、ユーリが好きなんだ」
ぎゅっとフレンはその腕の中にいるユーリをきつく抱きしめる。
「ユーリ、僕と結婚してくれるかい?」
頷いてフレンの横に立ちたい。
けど…。
ユーリは瞳からぼろぼろと涙を溢れさせた。
「ユーリ…?」
「で、きるわけ、ねぇ…」
「…どうして?」
「これから、お前はどんどん上に上っていく。地位だって…。そんなフレンの横に人を殺めたオレが傍に入れる訳、ない」
ぐっと腕に力を込めてフレンの腕から抜け出そうとする。
泣きながら。
けれど、フレンだってそんな事納得出来るわけなかった。
一方通行だと思っていた。
ユーリは自分の事を好いてくれている訳ないと思っていた。
でも、そうじゃなかった。
ユーリもフレンを好いてくれている。
しかも、昔の記憶通り女性だった。
だったら、なんのこだわりがある?フレンにとっての壁はもうなくなった。
ユーリが人を殺めた?
そんなの、フレンだって同罪だ。
そんな事、ユーリからフレンが手を離す理由にはなりはしない。
するりと腕から抜けようとするユーリの腕を掴み、フレンはユーリを手早く抱き上げベッドへと放ると、逃げる前にユーリに覆いかぶさった。
「…逃がさないよ。そんな理由で僕はユーリを逃す気はない」
「なに、言って…?」
「僕は君が欲しい。もう一度言うよ。ユーリ、僕と結婚してくれないか?罪とかそんなの関係ない。君の、君自身の気持ちを教えてくれ。僕は…君が僕を受け入れてくれるなら…絶対に君を護って見せるから」
「…忘れた事なんてなかった…。ずっとずっと、お前の横に立つことだけ考えて生きてきた。オレだって、お前と一緒になりたい。でも…」
その言葉だけでフレンは十分だった。
涙を隠すように顔を逸らすユーリの顔を強引に自分の方を向けてキスをする。
深い深いキスを。
「ユーリ。愛してる。…君の罪も傷も全て僕が一緒に背負う。だから…結婚しよう」
キスの合間に囁かれて、その言葉の優しさにユーリの瞳からはとめどなく涙が溢れ続ける。
フレンがずっとずっと欲しかった言葉をくれるから。
「…ばか。お前は、いざって時はいっつも体当たりばっかで…」
「ユーリ…」
「愛してる。フレン…お前が望んでくれる限り…オレは…」
そばにいる…。
ユーリはその手を自分から―――フレンの背に回した。
翌日。
ユーリは騎士団を辞め、満足げに微笑む双子に見送られながら、一足先にシゾンタニアを出て行った。
そのユーリの左の薬指には銀に光るリングがあり、下町に戻った時には盛大に皆にからかわれた。
けれど、フレンとの約束の証として、そんなことすら愛おしくユーリはそっとその証にキスをした。


アトガキ的なもの。
匿名希望の猫神様からのリクエストでした(^◇^)
リクエスト内容は
『フレユリ(女体化)で婚約者パロで昔二人はあっているけれどフレンは覚えなく、ユーリは大切に覚えるみたいな感じ』
でしたっ!!
という訳で、特に指定がなかったのでFSverで書いてみました。
いやいや、結構フレンが最低な男になっちゃいました(;・∀・)
でも、後悔はしてない(`・ω・´)キリッ
あ、因みに隊長が言っていた女を大人しくさせる方法は、『ベットに押し倒してキスして黙らせる』でした。
フレン最後まで聞いてないのに実行したって感じにしたかったっ!
後悔はしてない(`・ω・´)大事な事は二回言う。
随分遅くなってしまいましたが、リクエスト有難うございましたっ!!(∩´∀`)∩