『フレン』のユーリ○○日記  





【7】



【○月▲日 金曜日】 



ユーリとフレンが帰宅した。
その帰宅したユーリを見て、僕は持っていたミンチの入ったボールを床に落とした。
気だるげに、ソファに座り横たわるユーリが余りにも、美味しそうに見えて、ごくりと唾を飲み込んでしまう。
それは、どうやらフレンも同じで、更に学校でもこうだったのだろう。
生唾を飲み込むより、はぁと大きくため息をついていた。
慰労の意味を込めてフレンの肩をぽんぽんと叩くと僕はキッチンへと戻る。
今日の晩御飯はハンバーグだった。
材料は混ぜた。後は味付けだけだ。
えーっと、まずは塩にコショウ。これだけだと味がぼやけるから、隠し味にタバスコ、豆板醤、それに練り辛子と…。

「ちょっと、待て」
「え?」

調味料を持っていた僕の手を、何時の間にキッチンに入って来たのか、青ざめた表情のユーリが止めた。

「それ、どーする気だ?」
「え?どうって、入れるんだよ。当然だろ」
「何の当然だ、馬鹿」
「あ、そっか。ユーリ辛いの苦手だっけ?」
「こんなに入れりゃ誰だって苦手だろーが…はぁ。貸せ」

そう言って、ユーリは僕の持っていた調味料を取り上げ、終いには僕はキッチンから追い出されてしまった。
すると、和室リビングのテーブルで教科書を広げ大人しく料理が出来上がるのを待っているフレンがそこにいた。

「あれ?兄さん。どうしたんだい?」
「ユーリに追い出されたんだ」
「…何で?」
「良く分からないけど、ユーリが辛いのが苦手だから、かな?」
「へぇ。そうなんだ?」
「…違うっつーの」

違う方から突っ込みが入り、その声がした方へ視線を向けるとそこにはユーリが両手にハンバーグの盛られた皿を持ち立っていた。
焼いている最中暑かったのか、髪は一本に結ばれていた。僕とフレンはそのユーリの項にそっと視線を逸らしつつ、テーブルの上を片付けユーリの持ってきた皿を受け取る。

「スープは時間的に余裕がねぇから、味噌汁でもいいか?」
「うん」
「ユーリの作ったのは何でも美味しいからね」
「ははっ、そりゃお前のに比べたらな。ほら、運ぶの位手伝えよ」

ユーリが笑いながら言った一言がどっか引っ掛かる様な…?
とか思いながらも、僕とフレンはユーリの手作りハンバーグを暖かい内に食べたいが故にスルーし、ユーリの準備を手伝い食卓を整える。
三人でやればあっという間で、しかも、ユーリは僕達が運んで盛り付けている最中に、ぱぱっとサラダまで作ったみたいで、当初の予定より断然豪華な夕飯となった。
席に着き、頂きますと一声して、それぞれ箸を動かす。

「フレン」
『ん?なんだい?』
「お?あ、そっか。まー、どっちにも聞いたんだからいいか。ドレッシング、何が良い?」

そう言ってユーリはテーブルの上に三つ瓶を並べた。白、茶、透明と三つ。
何が違うんだろう?しかも、ラベルが貼って無い。

「どれも、オレの自信作だ」
「えっ!?」
「ユーリが作ったのかっ!?」
「おうっ」

料理が上手いのは知っていたけれど、まさかここまでとは…。
僕とフレンは迷いに迷った末、茶色のドレッシングが入った瓶を選ぶ。
ユーリは嬉しげに頷くと、その瓶を軽く上下に振り、サラダへとたっぷりとかけた。
直ぐに、それに手を伸ばし食べてみると、それは確かにドレッシングのサッパリとした感じの中に何処か肉の風味を感じる。
何時も野菜はそんなに手を出さないのだけれど、今日は野菜もペロリと食べれてしまった。
お腹がいっぱいになるまで一心不乱に食べ、その姿にユーリは満足した様だった。
腹ごなしをする為に、ゆっくりと足を伸ばしてまったりしていると。

「なぁ?」
「どうかしたかい?」
「ユーリ?」
「今日お前等どっちかの部屋で寝ていいか?」
『え?』
「だからさ。折角泊まり来て別部屋ばっかじゃ寂しーだろ?」

駄目か?と小首を傾げながら言う。
…その問い掛け方は反則だと思う。
しかし、僕もフレンも断る理由が無い。二人で勿論いいよと頷く。
すると、ユーリが嬉しげに微笑み、それにちょっと罪悪感を覚える。
…でも、これからくる時間に比べてその罪悪感は余りに小さ過ぎた。
ユーリは立ちあがり食器を洗いに行こうとするのをフレンが止め、僕に目配せを送ってくる。
要するに、ユーリに宿題と予習をさせるから、代わりに君が洗いに行ってくれと、案にそう言っている。
それに頷き、僕はさっさと洗い物をキッチンへと運び、洗い始めた。
リビングではフレンの教育的指導がビシバシと飛び交っていた。



――― pm 10時40分。



「おー、ここがお前等の部屋かー」

ユーリが枕一つ持ってキョロキョロと部屋を見渡した。
元々、僕とフレンの部屋は続き部屋で、それまで大きい部屋を二人で利用していたが高校に入ると同時に流石に一緒はどうだろうと父親が判断し、カーテンで二つに分ける事になった。
カーテンを挟みベットが直ぐある為、カーテンの仕切りさえ取り除けば互いのベットをくっつける事が出来るし、僕達はかなり身長があるからと母親が大きめのベットを買ってくれたお陰で、男三人川の字で寝るのも余裕だ。

「なんか、同じ部屋が二つある、って感じだな」
「そう?でも、そうかもね」
「うん。好きに配置してると結局こうなっちゃうんだよ」
「なるほどなー。双子の神秘って奴か」

もぞもぞとベットによじ登り、真ん中に座る。その両サイドに僕達は座った。

「さて、じゃ、寝ようか」
「だな」
「それじゃ、電気消すよ」

カチッとスイッチをオフにする音が聞こえ、室内は真っ暗になる。

「何か、修学旅行みてーだな」

ワクワクしている様に言うユーリ。毛布に潜り込み僕達もその両サイドから中に入る。
ユーリを真ん中にして寝る形をとる。…ユーリが逃げない様に。
そして、互いにユーリを抱きしめた。僕はユーリの頭を。フレンはユーリの腰に手を回して優しく抱きしめる。

「え?お、おい?」
「ねぇ、ユーリ?」
「僕達は君が好きだって言ったよね?」
「そして、君は好きだと答えてくれた」
「どちらかを選べていないにしても、こんな風に無防備に」
「君を好いていると言っている男の布団に入ったら」

『食べて下さいって言っているようなものだよ』

後ろから、前から囁くようにユーリに向かい告げると、理解できていないのかキョトンとして僕を見た。
ニッコリ笑ってそのままユーリの唇に奪い取るように口付ける。

「んっ!?」

驚きに目を見開くユーリの瞳が見たくて、キスをしながらベットスタンドに電気を点ける。
するとぼんやりとした、明かりがユーリの顔を照らしその瞳は少しの恐怖を映し揺れていた。
その恐怖を欲にかえる為、ゆっくりと舌でユーリの唇を舐める。何度も何度も丁寧に。
するとうっすらと唇が開き、そこへ舌を押し込む。そして逃げようとする舌を絡め取り、動きすら奪い取る。
僕がそうしてユーリの意識を唇へと向けさせている間、フレンの手はユーリのTシャツを捲り上げ、背後からユーリの体を弄り始める。
もう一本の手がある事を忘れていたのだろう。
フレンの舌がユーリの耳を丹念に舐めて、ぴちゃと卑猥な音を立てる。
その瞬間、びくりとユーリの体が震えた。
睡眠薬を使ってた時はここまで反応が無かった。ユーリを今腕に抱いている。
それだけで僕とフレンの理性は千切れそうだった。
ユーリの後頭部を引きよせ、深く深くキスをする。互いの間を行き来し、飲みきれない唾液がユーリの顎を伝う。その唾液を舐め取る様になぞり、顎の下まで舌を這わせ喉に吸い付き痕を残す。

「やっ、な、いきなり何してっ」
「…ユーリを抱いてるんだよ」
「ほら、ここ。気持ちいいだろう?」
「うあっ!?そこ、やだっ!?」

ぺろりと捲り上げられた下から出てきた胸の突起を舐めて転がし、反対のソコも手でクリクリと捏ねる。
きっと体が勝手に快感を拾いあげているんだろう。
それも当然だ。だって、僕達がそうしたんだから。
フレンがユーリのTシャツを脱がしベットの下へと放り投げ、毛布をもはぎ取り、足元へと丸めた。
そして、準備が整った所でもう一度ユーリを背中から抱き締め、下着ごとボトムを脱がしユーリの反応した性器を握りこんだ。

「ふっ、れぇん、やめっ」
「駄目。やめない」
「大丈夫。気持ちよくなるから」

フレンの手がユーリを追いあげる様に、何度も扱く。

「い、やだっ、……ふれ、んっ」

ユーリの手がフレンの手を止めようと重なる。僕はユーリのボトムを下着ごと完全に足から抜き取りベットの下へと落とし、その手を奪い取るとパクリと口に含む。
指の一本一本を味わう様に舐めつくし、再度その唇へと触れ枕の下からそっと小さな瓶に小分けにしておいたジェルを取り出す。
僕達の手に意識を集中させるように翻弄させ、僕はジェルを手にたっぷりとつけ、ソコの準備を始める。
男にしては白過ぎる肌。そして、綺麗な形をした尻を押し広げその中に隠れる蕾に指を押し込む。

「んんっ!?」
「…落ち着いて。大丈夫」

フレンがユーリの耳たぶを舐めながら、囁く。しかし、ユーリは予想外の事ばかりで動転し、何とか反論を、何とか逃げようと体を捩る。
けれど、それは僕が許さなかった。言葉はキスで塞ぎ、逃げをうつ体は動く度指を増やし動きを停止させる。

「ユーリ、一回イっておこうか」
「…はぁ、…んっ、やめっ…、……っ!?」

僕は中から、フレンは外からユーリを刺激し、ユーリは呆気なく達した。
急激に追い上げられ与えられた快楽に、吐き出したユーリは必死に肩で呼吸を繰り返す。
その間に僕の手は気付けば四本中に入りこんでいた。
…これだけ解れれば大丈夫、かな?
ユーリの後ろにいるフレンと視線を合わせると、ゆらっとフレンの瞳が揺れた。
あっちもそう思っていたらしい。

「ユーリ、大丈夫?」
「な、んで…?オレ、一人でした時、イけなかったのに…、こんな…」
「ほら、こっち」

呆然としているユーリから僕が指を引き抜くと、フレンがユーリを引っ張り上げる。
その間に僕はパジャマを脱ぎ捨て、ごろんと仰向けになり、ユーリの足を掴み僕を跨がせる。そして、体を引きよせ体の両脇に膝をつかせ腰だけがあがっている形を取らせる。

「…え?ちょ、なに?」
「大丈夫。痛くはしないよ」
「フレン?な、に言って?」
「でも、楽にして。力抜いてて」

ユーリに重なる様に僕と同じようにパジャマを脱ぎ捨てたフレンが被さり、僕とフレンがユーリを挟む様な形になる。
やっと挿れれる。そう思うとごくりと喉が鳴る。
でも、この状態じゃ僕が入らないか。ユーリの体を少し持ち上げ腰を落とす形をとらせ、僕とフレンが解れたそこへと昂ったそれをくっつける。

「…う、うそ、だろ…?」

ユーリが恐怖に逃げる前に腰を抑え、フレンが尻を広げ蕾を広げるとユーリの中へと押し入る。

「いっ!?、ったぃ…ッ、ふれッ、ムリ、むりぃッ」
「大丈夫。…入る、よっ」
「…ほら、力、抜いて」
「う、ぅぅ〜…っ!!!」

痛みにボロボロと涙をこぼすユーリの髪を僕が掻きあげ、フレンがその顕わになった首筋にキスをする。
真正面に見えるユーリの顔が堪らなく可愛い。
ぐぐっとユーリの腰を沈め一番太い所を押し込むとユーリは必死に頭を振り抜いてと訴える。
でも、ここまで入ってしまえば後は楽な筈。僕はユーリの腰をぎゅっと掴むと力を込め一気に僕達を呑みこませる。

「―――ッ!!?」
「入ったよ…、ユーリ…」
「……くっ……、流石に、きつい、けどね」

ガクガクと震えユーリが衝撃に耐えきれず、僕の胸の上に倒れ込む。
すると、フレンのが少し抜けたのか、ぐっと更に重なる様に中へと押し込み、その衝撃にまたユーリが震えた。
苦しさから必死に呼吸を繰り返す。さっきより近付いたユーリの頬へキスをする。

「……はっ、ぁ…、くる、しぃ……」
「すぐ、馴染むよ…」
「…ユーリの、中、気持ちいい…」

動きたい衝動を何とか欠片の理性で抑え込み、ユーリが馴染むまで僕達がユーリの呼吸を掴むまで動かず、ただユーリの頬にキスをする。

「可愛い…」
「……好きだよ」

何度も何度もユーリに届くまで、ユーリが落ち着くまで囁き続ける。
でも、僕達だって限界まできていたんだ。だから…。
最初に動いたのはフレンだった。

「ぅ、やッ、あッ、」

フレンが奥を突き上げ、それに煽られるように僕も中を突きあげる。
僕とフレンはもうユーリの中で感じる場所を知っている。そして、ユーリもそこで感じる事を体が知ってしまっていた。
交互に絶え間なくユーリの感じる場所を集中的に突きあげ、快楽を呼び覚ます。

「やっ、あ、ぁ、…アッ、はっ、う、うぅ…ッ」

喘ぎ声がずっと零れ続け、口を閉じる事すら忘れたのか顎を唾液が伝う。
火照った顔が可愛くて僕の欲を余計に煽る。もう、余裕なんてない。ただ、快楽を追うだけ。
ユーリの腰を掴みぐっと沈ませた所を逆に突き上げる。過ぎた快楽をやり過ごそうとユーリは必死に頭を振る。
けど、それが胸にあたって結構くすぐったくて、しかもその表情が可愛くて寧ろ逆効果だった。
律動のスピードが上がり、ユーリに声を出す隙すら与えず、フレンがそっと後ろからユーリの震える性器を握る。
腹と手に擦られて、僕達はユーリにきつく締められて。半端無い気持ちの良さに、三人同時に果てていた。

「ぁ、ぁ……、な、か…、に……」

小さく震え微かに聞こえる声で言うと、パタリと僕の上に倒れ込んだ。
それによってフレンもバランスを崩したのか、僕の顔の両脇に腕を置き肩で息をしていた。

「…はぁ。…どうする?兄さん」
「もう一回、したいトコだけど…」

二人で間に挟まれているユーリを見ると、すっかり意識を手放している。

「…今日は、やめとく?」
「でも、正直な話、抜きたくないんだよね」
「それは、…うん」

ユーリの中が気持ち良過ぎるのが悪いんだよね。

「…このまま寝る?」

フレンがにやっと珍しい顔をして笑う。
そして、きっと自分もそんな顔してるんだろうと思う。
フレンは僕の鏡だから。

ユーリにはハタ迷惑な結果を導き出し、僕とフレンはコテンと横向きにユーリを挟んで寝るとそのまんま眠りに着く事にした。