※ 本当はタイトルをユーリ1/2にしたかったww
※ ら●ま1/2にちなんでwww
※ やっぱりユーリはにょたでも可愛いしかっこいい♪
※ おっさん=八宝菜ww
※ ザギ=くのう先輩www
※ でも、やっぱりおっさんはおっさんww
僕のユーリ(女) 前編
「カロル、今度こそまともな仕事なんだろうな…」
「うんっ。大丈夫だよっ」
僕に任せてっ!とでも言いたそうなカロルに胡乱な目を向けた。
なにせ、前回もカロルが持ってきた依頼により、謎な薬を渡され小さくされフレンに色々な…それはもう色々な事をされたのだ。
ユーリにしてみれば、もうあんなのはゴメンだと全身で訴えても仕方のない事である。
「えーっと、ケーブモック大森林のー…今はココだから…こっちだね」
随随と進んでいくカロルの後をゆったりと追う。
ここもエアルの影響が少なくなり、大分落ち着いたと言えど、まだまだ魔物がいる。
油断は出来ない。
のに、カロルはどんどん進んでいく。
そして、森の奥深く。
そこに漸く目的の『泉』を発見した。
「これか?カロル」
「うん。多分、これだと思う」
二人で仲良く泉を覗き込む。
一見なんら変わりのない、ただの泉に見えるのだが…?
「これの水をとって行けばいいんだろ?」
「うん。でも採り方があるんだって」
「へぇ?採り方ねぇ」
カロルが依頼で渡された四つ折りの紙を開いたのを後ろから覗き込み文章を読む。
「うんと、ねー…まず、瓶を用意します」
「今カロルの鞄に貰ったのあるよな」
「うん。それから、次に決して水に触れないように手袋をして瓶を持ち水を掬います」
「手袋…あったかそんなの?」
「ど、どうだろう?ちょっと待ってね」
ユーリに紙を預けると、カロルは鞄を地面に置き中を探し始める。
「えっと、これじゃないしー…これ、でもない…。これー、は違うしー…?」
鞄から取り出した道具やら何やらが鞄の横へ積み上がっていく。
…一体どこにこんだけ入っていたのか…?
と問いてはいけない。
そこは『鞄王』の謎である。
「あ、これでどうっ!?」
「…それ手袋じゃなくて靴下だろうが…」
「ダメかな?新しいやつだけど」
「…まー、いっか。要は手を濡らさなければいいんだろ」
あっさりと決定。
『それで、次はー』とカロルが読んだ時だった。
「ユーリィィィィィっ!!」
「うおっ!?」
「うわわわっ!?」
―――ドンっ、ボチャンッ、ジャボンッ!!
後ろから何かがユーリにぶつかり、ドミノの様にカロルが泉に落ち、ユーリが泉に落ちた。
慌てて二人が水面に顔を出すと、そこにはニッコリ笑ったパティがいた。
「パティっ、酷いよっ!何するのさっ!」
「すまんのぉ。ユーリを見たらついつい抱き付きたくなってしまったのじゃ」
「にしたって、お前。限度があるだろ」
「だよねっ!!……って、ユーリ…?」
「何だよ」
カロルが口をパクパクさせてユーリを指さした。
一体何なんだ?と濡れた前髪をかきあげてパティを見ると、パティは酷く複雑そうな顔をしている。
もう一度カロルを改めて見ると、体がちょっと丸みを帯びて、髪も濡れたせいとは思えないほど妙に伸びていた。
嫌な予感がして、自分を見てみると…胸に何か膨らみが…?
「…は?」
とにかく落ち着こう。
ユーリは陸へと上がり、自分の体を再度確かめる。
心無しか何時もより視点が低いような…。
パティの顔も何時もより近くにある。
…もしかして…?
答えに辿り着こうとした、その時。
「あああーーーーっ!?」
いきなりカロルの声が当たりに響きまくる。
いつの間にかカロルも陸へ上がったらしい。
手にはさっき読んでいた紙がある。
「最後に注意として、この作業は女性がするようにしてください。男性がされる場合は十分水に注意してください。もしも水が肌の何処かへと触れてしまった場合、水に触れる度に女性の体になってしまうという呪いがかかってしまいます。…だってぇっ!!」
「…やっぱりそうなるのか…」
「なお、もし呪いがかかった場合、お湯を被ると一時的に男性に戻る事が出来ます」
「…お湯…っつってもな。とにかく、水を汲んでダングレストに帰ろうぜ」
「う、うん…。念の為パティ、お願いしてもいい?」
「任せるのじゃ」
パティに水を汲んでもらい、ユーリ達は一先ず街へと帰るのだった。
※※※
「それで、女の子になっちゃったの?二人共ー?」
レイヴンの言葉にユーリとカロルは嫌そうに頷いた。
それはもう嬉しそうに喜ぶレイヴンとは対照的にご立腹の二人。
とは言え、カロルはいい。
パッと見、体が細くなったかな?位で身長も大差ない。
子供のカロルは変化が少なく、『男の子です』と言っても通じるだろう。
しかし、ユーリは。
風になびくサラサラの黒髪。
キュッと引き締まったウエストに何時も開けている服から溢れそうなバスト。
更にスラっと細い足。
極めつけは男の時ですら間違われる位の美しい美貌である。
明らかに不機嫌なユーリに必死でフォローをしようと考えたエステルの結果は…。
「で、でも、ユーリもカロルも凄く可愛いです♪」
「フォローになってないぞ、エステル」
「ってか、随分身長縮んだんじゃない?」
「そうね。私と目線が一緒になってるわ」
リタとジュディスに追い打ちをかけられた。
隣にいるジュディスに到ってはいつもの美しい笑顔のまま、自分と背比べをしている。
「とにかく、お風呂に入ってこようよ。ユーリ」
「でも、他のお客さんがいると迷惑だろ?」
「確かにどっちのお風呂に入っていいか解らないよね」
「…ユウマンジュに行くか」
「あー、確かに。あそこなら貸切に出来るもんねっ。無料券あるしっ!!」
そこが重要なのか…?
とツッコミを入れたいような気もするが面倒は避けたいのでぐっと飲み込む。
何はともあれ、一行は二人の体を男に戻すために、ユウマンジュへと向かった。
※※※
「ねーねー、青年ー」
「何だよ、おっさん」
ユウマンジュ付近の森でバウルに降ろしてもらい、ユウマンジュへ向かい歩いていると、グイッと後ろから手を引かれた。
「本当に戻っちゃうのー?」
「はぁ?」
「だって、もったいないと思うのよねー」
「おい…おっさん」
「だってだって、今おっさん凄い幸せなのよねーっ!!」
急激にレイヴンのテンションが上がる。
とは逆にユーリの機嫌はどんどん穴を掘っていく。
「どこを見ても女の子だけっ!!ねーねー、青年ー。戻るの止めない?」
「……ラピード、好きなだけ齧っとけ」
「ガウッ!!」
「キャーっ!!止めてーーーっ!!」
ラピードと追いかけっこしているレイヴンをさて置いて、一行がユウマンジュへと向かっていると第二の災害が木の隙間から降ってきた。
「ユーリィィィィィィィっ!!!」
ピンクと黄色の奇抜な色をした髪の、言わずと知れたユーリ専用ストーカーだった。
問答無用で何時ものように斬り掛かって来た剣を咄嗟に愛刀で弾き飛ばす。
だが、女の力の所為か何時もより威力がない。
それを疑問に思ったのかじっとユーリを見た。
「……?」
だが、そのユーリ専用ストーカーのザギが顔にクエッションマークを浮かべた。
「………?」
指を指して一人一人の顔を確認するが、狙いの人物はいない。
「…………?」
そんなザギの指がユーリの前で止まった。
ジロジロと上から下まで確認するが、探し求めている『男』ではない。
見るからに『女』である。
「おい、そこの黒髪の女っ!!」
「…女…って、オレか?」
「俺の攻撃を防ぐとは…面白い…面白いぞっ!…くっくっく」
「…おい、何時もの気持ち悪い目が更にやばくなってるぞ」
ジリジリとにじり寄ってくるザギから一歩一歩と間合いをとり逃げる準備をする。
「おいっ、黒髪の女っ!!お前を俺の女にしてやるぞっ!!」
「はぁっ!?お前、何言ってんだっ!?」
武器はしまったようだが、如何にも飛び付いてきそうな手が気持ち悪い。
「やべぇって…」
今は女の力しか出ない事はさっき実証済みだ。
だが、ここで捕まったら何されるか分かったもんじゃない。
ここは、一先ず…。
クルリと背を向け逃げることに決めた。
「あ、ユーリっ!!」
「ここは足止めをしてあげましょう?」
ユーリを追うとするザギの間に入りユーリを助けるために総攻撃をかけた。
それを知らないユーリはただ走り続ける。
木の間をぬって、走り続け…。
―――ドンッ。
「うわっ」
「おっと」
何かにぶつかって弾かれて転ぶって所で手をつかまれ免れた。
…だが、この声…。
嫌な予感が…。
「大丈夫かい?」
「…や、やっぱりお前かよ…」
金色の髪が輝く騎士団長代理様だった。
そしてこの姿を最も見られたくなかった相手。
なのに、やはり色々敏いこの騎士団長代理様はユーリの状況をいち早く察知してしまった。
「…もしかして、ユーリ…かい?」
「…そうだよ」
フレンに起こして貰い、何故かそのまま腕の中へ。
抱き締められた腕の中で、フレンはユーリの体を撫で回す。
「……どこもかしこもフニフニだね」
「その言い方止めろ」
「ちょっと顔見せて、ユーリ」
「ちょっ…」
グイッと顔を上げられてフレンと向かい見つめ合う。
「可<愛いね。ユーリ」
「う、うるせぇっ!!」
「ユーリ、キス、していい?」
「嫌だっ!!」
「ユーリ…」
「い・や・だっ!!」
と言っているのにも関わらず、顔が固定されてフレンの顔が近づいてくる。
それでも、本当に嫌だったユーリのとった行動は、帯びに仕込んでいた瓶を取り出し、中に入っていた液体をフレンにぶっかける事だった。

