君を恋い慕う





【6】



ユーリの背後から抱き付くと、ユーリはびくりと肩を震わせた。
そんなユーリが可愛くて、その頬に触れて後ろを振り向かせるとその唇へと唇を重ねる。
ユーリの唇は凄く甘かった。
ベットに移動しなきゃいけないのは分かってる。
でも、もう少し…もう少しだけ…。
唇を舌でなぞり、うっすらと開いた唇の隙間に舌を差し込みユーリのその舌と絡ませる。

「んっ…ンッ…」

ユーリの声が色を籠め始める。
可愛い…。
全然止められない。
どうしよう…。
つい、ユーリとのキスに夢中になって、すっかり油断してしまっていた。
がぶりと舌に噛みつかれる。
流石にそこまで力は入れられなかったが、結構痛い。

「……はぁ、落ち着け、よっ」

ユーリが火照った顔で僕を睨む。
そんな顔見て落ち着ける訳が無い。
そもそも、僕はずっと、それこそ君と出会った時からずっと君が好きだったんだから。
もう一度。
そう思ってユーリの頬を手でそっと撫でると。
慌ててユーリは僕と距離をとろうと抵抗する。

「…ユーリ」

体から血の気が失せて行くのが分かる。
ただでさえこうして精気を奪われていると言うのに、さっきみたいに大きくフレズがショックを受けて更に血を吐き出すなんて事は避けたい。
それが僕の全身から失われて行く血の気でユーリに伝わったのか。

「う…、わ、分かったっ」
「ユーリ…?」

ユーリは僕を真っ直ぐに見据え、頷いた。

「で、でも、心の準備位させろよ。お前は男としてのプライドは保たれるだろうが、オレは……」
「…うん。分かった」

ガシッと腰をしっかりと掴んだまま、ベットへと戻る。
ここでユーリを離さなかったのは、昔からの経験上、手を離したら確実に逃げると知っているから。
ベットにユーリごとダイブする。
そしてそのままぎゅっと抱き寄せた。

「お、おい…、離せって」
「駄目。離したら君は確実に逃げるだろうし、それに、それじゃ心の準備にならないだろう?」

言うと、ユーリは少し拗ねた様な顔をして、僕の胸に顔を埋めてしまった。
可愛い…。
そっと、ユーリにばれないように手を動かし、ユーリの服の帯を緩めておく。
直ぐに脱がせれるように。

「なぁ…フレン」
「ん?」
「お前は何処でフレズに捕まったんだ?猫目のねーちゃんの話によるとテムザ山の頂上って聞いたけど?」
「あぁ、それはその通りだよ。僕が調査の為に単独で頂上へ行ったら小さな穴みたいな空間。洞穴っていえばいいかな?兎に角その中も調査しようと潜ったら声が聞こえてね。そしたら光に包まれて」
「…そっからはオレ達と一緒か」
「フレズはユウリを探す為に大分力を使ったらしく消えかかってた所に僕が来たものだから、精気を大分吸収されてしまって僕は意識を失ってしまったみたいだ」

『…申し訳ありません、団長』

突然会話に入り込んで来たフレズに気にするなと首を振る。

「まぁ、意識を失っていたと言っても、僕にしてみればずっとフレズと話をしていて、ユーリがユウリを連れて来るまで、意識を失ったって言う感覚は無かったんだよ」
「へぇ…」
「君の声はちゃんと聞こえていたしね。…あぁ、そうだ。フレズ。言い忘れていたけど、僕は騎士団長では無いから」

『え?ですが、周りの兵士は皆…』

「騎士団長『代理』なんだよ」
「…団長と大して変わらないけどな」
「変わらなくなんてないっ。全てにおいての責任が」
「あー、はいはい」

あっさりと流されてしまった。
腹いせに、ユーリから体を離し、ベットへとユーリを押しつける。

「えっ?ちょ、えっ!?」

ユーリの服の隙間から手を差し入れて、肩を撫でる。
するとびくりとユーリの体が震えた。
そのまま、肩から滑るように剥き出させると露わになったその首筋に僕はそのまま唇を寄せ、きつく吸い上げる。
ますます体を震わせるユーリの美味しそうな肩に齧りつき、くっきりと浮かび上がるその歯形に舌を這わせるとユーリの体は少しずり上がった。

「ま、まだ…」
「もう、充分だろ。……しよう?ユーリ」

顔をユーリの首元に埋めると、ユーリの香りがして、ずくんと下腹が疼く。
ずっと好きだったユーリを抱く事が出来る。
僕の頭の中はさっきからそればかりが支配している。
そして、それはきっと上で漂う二人も一緒なのだろう。
ずっと、先をしたいと期待した目でこっちを見ていた。
……とは言え。
僕も一つだけ…踏み切れない理由がある。
それは…。
フレズの目をじっと見つめる。
すると、フレズも僕の意思を読み取り、こくりと頷くと、静かに姿が消えて行く。
姿だけ消す様に頼んだのがしっかりと伝わったようだ。
ユウリにもそれは伝わり姿が消える。
視覚出来なくなっただけで成仏した訳ではないが、これで心をおきなくする事が出来る。
逃げ出そうとするユーリの体を抑えながら、その唇を塞ぐ。

「んっ…ンんッ…」

ユーリがキスに集中している間に、緩めておいた帯を引き抜き、ベットに下へと放り投げる。
…白い、肌だな…。
そう言えば昔から、ユーリの肌は白かった。
でも、今はその肌も火照り、赤くなっていく。
舌を絡め、ユーリの呼吸を奪い取る様にキスを深める。
くぐもったユーリの声、でもそんな中にも艶っぽい声が混じり、僕はユーリとのキスに夢中になっていく。
歯を一つ一つ確かめるみたいになぞり、上顎も全て…。
すると苦しくなったのか、ユーリが僕の肩を押す。
それに素直に押されて、キスから解放すると、ユーリの頬にキスを落とし、そのまま耳まで移動して真っ赤になっている耳を食む。

「やっ、な、にしてっ…」
「…耳、気持ちいいんだ?」

わざと耳に息を吹き込むようにして囁くと。
赤い顔を更に真っ赤に染めて、必死に首を振る。

「…気持ち、良くない?」
「ぞわ、ぞわ、する、かぁら、止め、ろっ」
「そっか。気持ちいいんだね」

ペロリとたぶを舐めて、敢えて音が聞こえる様に何度も舐める。
心行くまで堪能すると、そのまま下におりて肩を過ぎ、鎖骨にキスを落とし、そのまま胸の尖りをぱくりと口に含んだ。
小さくて可愛いソコを何度も何度も弄り、少し齧って痛みを与え、その痛みすら快感に変わる様にと何度も舐る。
ユーリの息遣いがどんどん荒くなり、荒くなっていると言う事は感じていると言う事で…。
僕の手でユーリが感じている事が嬉しくて堪らない。
確かに感じていると実感はしているけれど、証拠が欲しくて、膝をユーリのそこへ触れさせると…。
固く、勃ちあがりズボンの中がきつそうな位張っていた。
恥ずかしくて身を捩って膝を閉じようとする間に体を割り込ませ、ユーリが必死に隠そうとしていたそこへそっと手を伸ばす。
ズボンを下着ごと脱がし、先走りを溢れさせているそこを撫でる様に優しく握る。

「うぁっ!?ふれ、ッ、はな、し、うぅっ」
「どっちを離して欲しい?」

こっち?
そう言って、ユーリの胸の突起を吸い上げ、
それともこっち?
とユーリの勃起したそれを扱く。
けれど、ユーリにはその言葉は届いていなかった。
とにかく、僕が絶えず与える快感から逃げ出したくて堪らないと。
ただそれだけで。
どうしよう。
一回、イかせようかな…?
でも、初めてだとイかせてしまうと辛いとも聞くし…。
先に慣らそうか。
開いている手をユーリの口に寄せて、指を押し込む。
何をされるか分からないユーリは咄嗟に歯を立てようとするが、その前に他で衝撃を与えて力を流してしまう。
唾液でたっぷりと濡らされた指を、そっと多分ユーリ本人ですらみた事のない所へあてて、恐怖を与える前に中指を押し込んでしい、ぐっと指を曲げて中を馴らしていく。
傷つけない様に慎重に。
けど早く入りたい一心で、急ぐ。
中指が楽に出し入れ出来る様になったら、指を増やす。

「いっ!?、…てぇ…。やぁ、ふれ、ん…」
「大丈夫だよ。ほら、君のココ、全然萎えてない」

指が出し入れされる異物感が嫌なのか、ユーリは僕の言葉に必死に顔を振る。
シーツの上をユーリの黒髪が散らばり、ぱさぱさと音を立てる。
ずるっと引き抜き、もう一本追加して押し込むと、ユーリは僕の手を抜こうと必死に手を伸ばしてきた。
けれど、全く力が入っておらず、何の抵抗にもなっていない。
指三本楽に動く様になって…そろそろいいかな?
足を持ち上げ、もうすっかりきつくなった自分のをユーリの解れきったそこへ押しあてる。

「う、うそ、だッ、ふれ、ま、まって」
「ごめん、むりッ」
「―――ッ!?!?」

ぐっと中へと押し込む。
衝撃でユーリの背が弓なりに反りかえる。
余裕もなく、一気にユーリの中に押し入るとユーリは僕の肩を押し返す。
でも抜いてもあげられなくて。
ユーリの手をとって首に回させると、胸をくっつけ合う様にきつく抱きしめ、ユーリの唇を塞ぐ。

「んんッ!?ん、…やぁッ、ぃ、いてぇッ、ふれ…、ぬい、ンんッ」

キスをしながらユーリの瞳をじっと見つめる。
そのアメジストの瞳は涙に濡れて、欲を含んで…堪らなく綺麗で…。
離したくなくて、その瞳を僕にだけ向けて欲しくて。
ぐっと抱き締める腕を強めると、更に奥へと進んでしまい、ユーリの体が強く震える。
全てユーリの中に収まると、ユーリの中は熱くて凄く気持ちがよく、ずっと中に入っていたいと思ってしまう。

「……ユーリ…。全部、入った、よ?」
「…はっ…、はぁっ……」

荒い息の中ユーリが僕をじっと見てくる。
――潤んだ目が。
―――火照った顔が。
――――その全てが。
可愛くて…。
既に切れてしまっていた理性の糸が無くなった気がした。

「ぅあっ!?」
「…ごめん、後で、ユーリの言い分、聞くから、っ」

腰をゆっくりと引いて、一気に押し込む。
僕を受け入れているユーリのそこが、僕が抜けると締まり出て行かせまいとして、けれど、中へ押し込むと素直に僕を受け入れてくれる。
その感覚が僕に凄まじい快感を与えて、止まる事など出来なくなった。
快感だけを求めて、がつがつとユーリを揺さ振る。
訳も分からず、突き上げられるユーリはただただ首を振り、目に一杯の涙をためて僕から逃げようとした。

「ゃ、やだっ!や、あ、ぁっ、ン、ふぁッ」
「逃げちゃ、駄目だ、よ。…すぐに、君の気持ちいい、所、探して、あげる、から」
「ぃ、やだっ、ふれ、ふれんっ」

これ以上逃げない様に、がっしりとユーリを抱き締め、奥へと入り込む。
すると、中のある一角に触れた途端、中が更にきつく締まった。
そっか。
ココが、気持ちいいんだ。
分かったなら、ユーリを気持ち良くさせる為、そこを集中的に突く。
お腹の間で擦れている、痛みで若干萎えかけていたユーリのが、再び熱を持ち固くなり、ユーリから痛み以外の声があがった。
僕はユーリへと自分の欲をぶつけ、ユーリの固くなったそれをそっと握り弄りながら、強制的にもたらせる快楽に抗う事が出来ないユーリと共に達していた。